土地が亡くなった所有者の名義のままになっていた…
世の中は不透明なものです。先々どうなるかわからないからともっている土地があれば、それを一つの収益を得る窓口にと考える人も少なくない。先祖代々受け継いできた土地の上に、新しいアパートを建て収益をあげようと思いついたとしましょう。初期費用には銀行からの借入を必要とし、金融機関へ相談に行ったとします。
すると、「登記はだれか」という問題にぶち当たるわけです。簡単にお金を借りられると思いきや、その土地の名義が亡くなった所有者の名義のままであったために想定外の費用と時間がかかってしまったお話です。
相続人のひとりである妹が認知症
※以降の事例の人名はすべて仮名です。
金融機関の紹介で当事務所にお越しになったのは、70代の伊藤誠さんです。銀行側は不動産を担保に融資を考えたところその不動産の名義が他界した誠さんの父親名義だということでした。伊藤誠さんにお話を聞いてみると、こうおっしゃいました。
「20年前に父親が亡くなったときの相続人は、私と妹のみ。そのときには、長男である私が財産のすべてを承継することに、妹の昭子も同意していました。
しかし、その相続手続きをすることを忘れてしまい、放置してしまっていたのです。自分のものだと思い込んでいて、銀行に行ったら、相続手続きをしないと融資を受けられないということがわかりまして、今日はお邪魔しました。それが……一つ問題がありまして……父が亡くなってから20年のあいだに、妹の昭子が重度の認知症になって、いまは老人介護施設に入居しているんです」。
こうなってしまった状態では、昭子さんから遺産分割協議書に実印を押してもらうことができません。実印の押印は当然、本人の意思によるものでないといけません。手続きを進めるには、昭子さんに成年後見人を選任して本人の代わりに遺産分割協議に参加してもらうほか方法がありません。
今回のケースで、仮に不動産しか財産がない場合は、認知症の相続人(妹・昭子さん)が不動産の管理ができなくても共有持分を登記しなければならないというケースになります。このとき、実際の家族関係や管理状況に応じた遺産分割はできません。そして、妹の昭子さんに成年後見人がついて、誠さんと昭子さんとの共有状態になることは、その土地を担保に金融機関からお金を借入して収益物件を建てることが、基本的にはできなくなります。
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