(※画像はイメージです/PIXTA)

65歳までの雇用確保の経過処置は、あと2年強。さらに70歳までの雇用確保も努力義務とされ、企業は真剣に高齢者雇用を考えていかなければならないステージとなっています。また現行のまま、単に定年年齢の引き上げに対応すると、業績悪化につながるという指摘も。みていきましょう。

従業員の「労働時間」、基本的な考え方

「労働時間」とは労働者が使用者の指揮命令下にある時間のこと。「所定労働時間」は、各企業の就業規則で定めている勤務時間で「法定労働時間」は労働基準法で定められた労働時間の上限です。法定労働時間は、労働基準法第32条によって「1日8時間、週40時間まで」と定められています。

 

また労働基準法では、休憩の取得ルールについて、「1日の労働時間が6時間を超えて8時間以内の場合、最低でも45分以上の休憩が必要」「1日の労働時間が8時間を超える場合、最低でも60分以上の休憩が必要」とされています。

 

残業には所定労働時間を超えて法定労働時間内で働かせた時間である「法定内残業」と、法定労働時間を超えて労働があった時間である「法定外残業」があります。労働基準法で割増賃金の支払い義務を課せられているのは「法定外残業」です。

 

「これは労働時間に含まれるのだろうか……」と悩むケースもあるでしょう。たとえば「参加強制の社内研修」「始業時間前の掃除時間「休憩中の電話対応」……これらは労働者が使用者の指揮命令下にある時間なので、賃金の支払い義務が発生する時間です。これらを含めて労働時間の上限を超えないようにする必要があります。

 

残業時間の上限は、月45時間・年間360時間までです。さらに法改正で、。特別条項付き36協定を結んでも「残業は月100時間未満、年720時間以内」という上限規制が設けられています。ほかにも「2ヵ月から最大6ヵ月の平均残業時間はすべて月80時間以内」「月45時間を越える残業は、年6回を越えてはいけない」などのルールが追加されています。

 

労働形態によって上限が異なったり、考え方が違ったりします。たとえば「変形労働時間制」の場合は、「平均して1週間の労働時間が40時間以内におさまっていればよく、「フレックスタイム制」では精算期間内で平均労働時間が40時間におさまっていればよいとされています。

 

これらの上限を超えて働かせると、違反した従業員一人につき「30万円以下の罰金」または「半年以下の懲役」、もしくはその両方という罰則。それ以上に法令違反で処分されると負のイメージが広まってしまい、経営にも大きな影響を与えてしまいます。適正な勤怠管理は安定した企業のためにも必須なのです。

 

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