お金に困らないためには、お金を「上手に稼ぐ」・「減らさない工夫をする」・「賢く貯める」という3つの柱が重要であると、企業経営コンサルティングを行う(株)プレジデンツビジョンの代表取締役・石原尚幸氏は指摘します。3つの柱を実践するうえで身につけるべき考え方、方法について、著書『父が子に伝える 13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方』から、親と子どもの対話形式で、分かりやすく解説します。
お金の専門家が銀行にお金を預けないワケ
お金の勉強を続けてきた結果、じつは父さん、いまは銀行にお金をほとんど預けていないんだ。
なぜなら、いまの銀行の利子が安すぎるから。
いま、君が1万円を銀行に預けたとして、1年後に受け取れる利子はいくらだと思う?
「お父さんが子どものときは500円もらえたんでしょ? いまはそんなにもらえないとして…100円ぐらい?」
それぐらいあるといいよね。正解は、0.1円。1円じゃないよ。0.1円だ。
「なに、それ!? 預ける意味ないじゃん!」
そうだ。
まったく意味がないとまではいわないけれど、少なくとも銀行に預けてもお金が増えることはない。
「金融リテラシー」を身につけ「お金を増やせる人」に
「銀行に預けてないならどこに預けているの?」
いい質問だ。
父さんは銀行ではなく、証券会社へお金を預けている。証券会社にお金を預けておいて、その預けたお金の中で、株というものを買ったり、投資信託を買ったりしている。
これなら、銀行の利子以上に増やせる可能性があるからね。
「もしかして、毎年、僕が、お父さんの会社から買っている、あれ?」
そうそう。君には毎年、父さんの会社の株を買ってもらっている。その見返りとして、1年に1回、配当金という「おまけ」も渡しているよね。
「あれが株だったんだ! じゃ、株とか投資信託を買っておけば絶対にお金は増えるの?」
これまたいい質問だね。
じつは、株や投資信託はお金が増えることもあるけれど、お金が減ってしまうこともあるんだ。だから、勉強しないで、株や投資信託を買うことはとっても危険なこと。
君は、いまはまだ自分で株を買うことも投資信託を買うこともない。けれども、君は、これから、お金を稼ぎ、お金を貯めて、「金融リテラシー」を身につけて、自分自身で判断し、お金を増やしていけるようになっていこう。
これからの人生で「金融リテラシー」は絶対に必要になる。
石原 尚幸
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
イラスト/瀬川尚志
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
1973年、愛知県名古屋市生まれ。
コーヒー卸商「石原珈琲商会」の三男として育つ。幼少の頃から父の配達についていき、「明日の売上がなかったら、お前の目の前のごはんは食べられないんだぞ」と言葉をかけられていたのが、商売の原点。上智大学経済学部経営学科卒業後、大手石油元売に入社。日本一ガソリン代が安い激戦区に担当営業として赴任。赤字となってしまった大手特約店にて、2年間で3億円のV字回復を実現したことが評価され、31歳で社長賞を受賞。34歳で独立起業後は、現場で培った経営ノウハウにファイナンシャルプランナー資格(1級FP技能士)、MBA修得で得た知見も併せ、成果にコミットするV字回復メソッドを体系化。「売上に偶然はあるが、利益に偶然はない」という理念のもと、社外にいるものの、社長の傍らに寄り添う「社外参謀」としてクライアントのビジョン実現へ邁進している。直近では「父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方」を上梓し、お金と賢く付き合うやり方と考え方をわかりやすく伝える活動も行っている。
【公式サイト】
株式会社プレジデンツビジョン:https://presidents-vision.com/
ジャパンコンサルティングファーム株式会社:http://www.japan-cf.com/
【資格等】
・1級FP技能士
・ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA(経営管理修士・専門職)
【主催する団体】
・ジャパンコンサルティングファーム(株) 代表取締役会長
・五つ星★メンバーシップ 主宰
【著書】
『社長!お金は「ここだけ」押さえれば会社は潰れない〜2枚のシートで利益とキャッシュを確実に残す!(ダイヤモンド社)』
『父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方(三笠書房)』
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載子どもに伝えたい!お金に一生困らない3つの考え方