※画像はイメージです/PIXTA

コロナ禍にあるニュージーランドですが、11月には2年ぶりの「ジャパンデー」が開催され、あらゆる日本の文化やビジネスが紹介されました。なかでも現地の人を驚かせたのは日本の不動産価格です。広い住宅が一般的だったニュージーランドも、いまでは不動産価格が高騰。状況は目まぐるしく変化しています。現地のベテランエージェントが解説します。※本記事は、2022年11月6日現在の情報に基づいて執筆されています。

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    2年ぶりの「ジャパンデー」開催、盛況のうちに終わる

    2022年11月6日の日曜日は晴天のなか、2年ぶりのジャパンデーが無事に開催されました。例年通りの来場客でにぎわった会場では、日本の文化や芸術、食や日系企業の紹介がおこなわれました。

     

    和太鼓の演奏や、和服姿のMC
    和太鼓の演奏や、和服姿のMC

     

    今回は、オークランドの西に位置するヘンダーソン地区のトラストアリーナでの開催でした。会場の横には、女子ラグビーワールドカップが開催されたフィールドがあります。

     

    これまではオークランド中心部のセントラルで開催されており、今回はいつもの場所から離れたことで来場者数が懸念されていましたが、主要な高速道路からのアクセスがよく、また、日曜日で道路が空いていたこともあり、現地に住む日本ファンの皆さんを中心に、多くの方が来場してくれました。

     

    ステージ上では和太鼓や琴の演奏があり、体験・販売スペースでは日本のアニメを紹介するコーナーや、日本への観光案内や縁日体験、生け花の展示や茶道体験のブースのほかにも、NZでワイナリーを運営されている方々による試飲会など、多くの出店がありました。

     

    生け花の展示
    生け花の展示

     

    ニュージーランドでは、コロナの感染者も出てはいますが、マスクをしている人は少数です。来場された方はそれぞれにお祭りを楽しみ、大いに盛り上がりました。

    日本の不動産情報を提示してNZ不動産業界で初めて参加

    ジャパンデーには長年参加していますが、実は今回、私たちも初めて日本の不動産情報紹介にチャレンジしました。

     

    筆者たちが出店した日本の不動産紹介ブース
    筆者たちが出店した日本の不動産紹介ブース

    物件案内をすべて英訳するのは難しく、時間もなかったため、見取り図などは日本語のまま。詳細情報はさすがに日本語では理解してもらえないため、そこのみ英語に訳しての展示となりました。

     

    このような掲示方法をしていたところ、漢字が読める中華系の来場者は、混みあっている英語表記のエリアを避け、日本語表記のほうに集まってしきりに内容を読みこんでいて、非常に印象深い光景として心に残りました。

     

    紹介した物件のなかには、25万NZドル、日本円にして約2000万円台の愛知県の6DK中古物件がありました。オークランドでは、ワンルームマンションがなんとか買える値段です。

     

    ニュージーランド人の来場者は、英語表記の詳細や図面を見て「これは安い! 僕たちでも買えるのか!?」と驚く方もいました。

     

    このように反響は上々で、多くの方に興味を持ってもらうことができました。これから具体的な商談へと進むことになりますが、結果はどうなることでしょう? いまからとても楽しみです。

    土地価格上昇にともない、狭小化が進むNZの一般住宅

    毎回のように「オークランドはタウンハウスの建築ラッシュ」とお伝えしていると思います。

     

    昔は、1000㎡の土地に1軒の家が一般的で、どの家も広い庭付きでした。ところが、1990年代後半からアパートメントが立ち並ぶようになり、土地の高騰も影響して1戸あたりの平均が500㎡ほどの区分売りも盛んになりました。時代が下るにつれ、1戸建ての場合の土地は約350㎡、集合住宅のタウンハウスになると、土地は平均して150㎡程度になってしまいました。

     

    土地が150㎡程度となると、床面積は100㎡ほどになり、広いものでも160㎡ほどです。かつては平屋が主流でしたが、土地の狭小化に伴い、住宅も2階、3階建てへと縦に伸びてきました。

     

    ところで、このタウンハウスですが、建っている地域によって、価格が大きく異なります。

     

    ★3ベッドルーム、2バスルーム、1ガレージ 950,000 NZD~(ウェスト地区)

    ウェスト地区・950,000 NZD~の物件
    ウェスト地区・950,000 NZD~の物件

     

    ★2ベッドルーム、1バスルーム、1カーポート 1,200,000 NZD(イースト地区)

    イースト地区・1,200,000 NZDの物件
    イースト地区・1,200,000 NZDの物件

     

    ★4ベッドルーム、3バスルーム、2ガレージ 1,900,000 NZD(セントラル地区)

    セントラル地区・1,900,000 NZDの物件
    セントラル地区・1,900,000 NZDの物件

     

    ほんの3つですが、地域と価格帯の異なる物件の例を挙げてみました。

     

    上記のウェスト地区の物件は3ベッドルームですが、ウェスト地区の場合、2ベッドルームの物件は80万NZドル台で買うことができます。しかし、これがセントラル地区になると100万NZドルを越え、学区がいいとさらに高騰して200万NZドルへとあと一歩、というところまで値段が上がります。

     

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