「できない」という思い込みが見えない壁になる
前回の続きです。仲間と一緒に貯めれば、貯金のスピードが上がるこの話の中には、二つの教訓があります。
一つは、本当はできるのに自分自身で目に見えない壁をつくって、「できっこない」と思い込んでいると、いつまでも欲しいものを手に入れられない、ということです。つまり、自分の壁を取り払う必要があるのです。
もう一つは、誰かが成功すると「自分もできるかもしれない」と気づくことです。これは、1000万円貯金についても同じことがいえます。
身近な仲間が達成することで「壁」を取り払える
筆者が運営しているセミナーでは、自分とよく似た境遇の女の子たちが、1人、2人と1000万円貯金を達成していくので、プラスの連鎖で、次々と達成者が生まれています。手が届きそうにない高い目標に見えても、身近な仲間で達成できる人がいると「自分もできるのでは?」と思えるようになるのです。
かつて陸上競技男子100メートル競走で「10秒の壁」というのがありました。1968年にアメリカのジム・ハインズが9秒95を出したあと、77年にキューバのシルビオ・レオナルドが9秒98の記録を出すまでに9年がかかりました。
しかし、83年にカール・ルイスが9秒台を達成すると、同じ年にカルヴィン・スミスも9秒台を記録し、その後は多くの選手が10秒の壁を破るようになりました。
誰かが達成し、その数が2人、3人と増えていくと、「自分にもできる」と思えるわけです。仲間ができると、情報交換もできますし、お互いにいい刺激になります。つまり、貯金において連帯意識はかなり効果的なのです。