労働時間は減っても残業は減らない…過労死を生む「いまだ昭和体質」の日本企業 (※画像はイメージです/PIXTA)

厚生労働省から『令和4年版過労死等防止対策白書』が公表となりました。そこには過労死の原因となる、長時間労働の実態についての言及がされています。コンプライアンスが叫ばれているなか、従業員の労働時間については厳しく管理しているというのが当たり前になっている感はありますが……みていきましょう。

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総労働時間は減少の一途を辿っているが…

2014年11月1日から「過労死等防止対策推進法」施行され、過労死対策、長時間労働対応は企業にとって必須となりました。対策を怠ると企業イメージを左右し、採用活動などにも影響を与えるでしょう。

 

そもそも過労死とはどのようなものなのでしょうか。過労死等防止対策推進法第二条で以下の通り定義されています。

 

ア.業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡

イ.業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡

ウ.死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患・精神障害

 

現在、過労死ラインとされているのは月80時間程度(月に20日出勤とすると、1日4時間以上の残業・12時間労働)。ほかにも、不規則勤務や長時間拘束勤務、泊りがけの出張、騒音等の職場環境、精神的緊張を伴う業務なども過労死の要因とされ、月80時間以下でも過労死と認定されることがあります。

 

そもそも勤勉なイメージの日本人、「長時間労働は当たり前」という感覚の人もまだまだ多いですが、労働時間は緩やかに減少しています。ただし「総実労働時間」は減少しているものの、就業規則や雇用契約書に記載されている始業時間から終業時間までの時間から休憩時間を引いた時間である「所定労働時間」と、残業や休日出勤にあたる「所定外労働時間」に分けると問題点がみえてきます。

 

所定労働時間はバブル崩壊後の1993年には1,806時間だったのが、2003年には1,708時間、2013年には1,619時間。コロナ禍前の2019年には1,542時間で、30年弱で年間264時間も減少しました。一方で所定外労働時間は1993年に114時間、2003年に120時間、2013年に127時間、2019年に127時間と、110~130時間あたりで増減を繰り返しています。

 

つまり既定の労働時間は減少しているものの、対応できていない分は残業等で対応していたり、特定の人に負担が集中していたりなど、すべての従業員の労働時間が一律減少というわけではない実情がみえてきます。

 

結局、平均して長時間労働は解消されているものの、大きな負担を強いられている一部の従業員がいる……これこそが「過労死ゼロ」を妨げている要因だといえるでしょう。

 

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