(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省による「人材開発支援助成金」など、日本では現在国を挙げて「IT人材の確保」に動いています。そのようななか、外部ではなく社内の人間を「IT人材」へと育てることは、中小企業にとって非常に重要であると、株式会社システムシェアードの執行役員、田窪建太氏はいいます。では、「IT人材の育成」は具体的にどうすればいいのでしょうか、みていきます。

IT人材の育成…実は「日本政府がやりたいこと」

国の助成金で「負担ゼロ」もしくは「超少額」で人材育成可能

さて、ここからは「助成金」をご存知ない人にとって必見の、重要な内容になります。

 

簡単に表現しますが、助成金をうまく活用することで、IT人材の育成は何百万円分の人材育成への投資を「無料」にできたり、投資額を半額以下に抑えたりすることが可能です。

 

コロナ禍で「雇用調整助成金」はかなり有名になりましたが、「人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)」や、そのなかに今年新設された「人への投資促進コース」について、上手く活用できている経営者は決して多くありません。

 

実は、年間で発表される助成金の類は、約3,000種類以上にもなるといわれており、知っているか否かで経営の明暗が分かれるほどの仕組みであると考えています。

 

IT人材育成に活用できる助成金は大きく「賃金助成」と「経費助成」で構成されています。

 

賃金助成は「研修中の社員の給与」を一部助成してくれて、経費助成は「研修にかかった費用」を一部助成してくれます。助成というのは、申請して受理されると後から「お金をもらえる」ということです。

 

若手正社員の研修で活用できる「若年人材育成訓練」の場合、賃金助成は研修時間と就業規定の重なる時間に対して、1時間当たり760円助成されます。また、経費助成はかかった研修費用の45%が助成されます(※)。

※厚生労働省:人材開発支援助成金(特定訓練コース・一般訓練コース)のご案内(詳細版)より

 

たとえば、新人1名にIT研修(3ヵ月618,000円)を受講させようとした場合、下記のような助成が受けられます。下段は「若年人材育成訓練」を活用した場合の研修費用のシミュレーションです。

 

【中小企業分類の場合】

 

・賃金助成(760円/1時間あたり)=3ヵ月464時間で352,640円

・経費助成(45%)=3ヵ月で278,100円

合計630,740円

助成額630,740円-研修費618,000円=12,740円

※1.自社の研修費用(BtoBのIT研修費用(1ヵ月)の中央値が20万前後)にて算出
※2.中小企業分類に該当するかどうかは業種により異なるため、事前に厚生労働省のHP等をご確認ください。

 

3ヵ月の研修費が無料になるばかりでなく、少し収益がでてしまうのがわかります。これは使わない手はないですよね?

 

雇用保険をしっかり納めている企業は、このような助成金は堂々と活用できる権利であるため、ぜひ有効活用したいものです。

 

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