(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省による「人材開発支援助成金」など、日本では現在国を挙げて「IT人材の確保」に動いています。そのようななか、外部ではなく社内の人間を「IT人材」へと育てることは、中小企業にとって非常に重要であると、株式会社システムシェアードの執行役員、田窪建太氏はいいます。では、「IT人材の育成」は具体的にどうすればいいのでしょうか、みていきます。

「リスキリング」はもはや日本再生の“最重要課題”

先日、政府が「人への投資」として、1兆円を財源に人材育成を後押しする方針を発表しました。

 

実は、もっと前の2020年に開催された世界経済会議でも「2030年までに地球人口のうち10億人をリスキリングする」と発表されていますし、国内でもたとえば有名なものですと日立製作所などでは全社員にリスキリング研修が実施されていたりします。

 

「リスキリング」とはなにか

そもそもリスキリングとは、

 

「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践して、新しい業務や職業に就くこと」

 

をひと言で表した単語です。主に企業の人材戦略の一環と言われています。

 

「あー、大手でなんかやっているやつね」という感覚の人もまだまだ多くいらっしゃるかと思いますが、もはや中小企業の我々も「ここ数年以内に解決しなければ危ない課題」として、避けて通れないものになっているのではないかと私は感じています。

 

中小企業経営陣の皆様はこの状況をどう見ているのでしょうか?

社内のDX化…実は「社員育成」最短ルートの可能性

私は前回、「経営陣がITリテラシー身につけないとベンダーのカモになりますよ!」とお伝えしました(※)。

※関連記事:完全にカモ…ITベンダーにナメられる社長の「残念な特徴」

 

このリスキリングを「自社でしっかり取り組むか否か」で、カモになるかならないか、運命が分かれます。

 

「ITはよくわからないからプロに頼もう……」という姿勢を貫いていると、いつまでたっても社内にITリテラシーの高い人材は増えません。

 

自分の役割じゃない、エンジニアやITに精通している人材を採用すればいいとお考えの経営層も、実際に採用できるかというと、かなりの高難度・高コストの採用活動になると思います。

 

なぜならITリテラシーの高い人は、その会社の前提環境や仲間のリテラシーがあまりにも低いと、IT導入や価値の理解浸透などで本当に辛い思いをするのがわかっているため、よほどの理由がない限り入社しないからです。

 

そのため、まずは経営者をはじめ決裁権限者の人たちが、しっかりと腰を据えて自社のDX化に向けたリスキリング方針を整えること、そしてなにより、「自分も学ぶ」という姿勢がとても重要です。

 

現在、私自身も学び続けるなか、IT導入を自ら率先して実施するように努めています。中小企業においては特に、新しいことを実践するときには経営陣が率先して背中を見せていくことで、現場の納得感や協力が得られるものと思っているからです。

 

次ページ「IT人材の育成」を切望しているのは…

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