現実を直視しない為替介入の問題点
為替介入の目的は、為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図ることです。しかし、為替介入をむやみに行うことは、相場操縦と同じ効果をもたらす可能性があるだけでなく、為替相場の変動の原因を見極めないと、投入した額に見合った効果が得られない可能性があります。
鈴木俊一財務大臣は10月24日、「投機によって過度に変動することは断じて容認できない」「必要な対応をとっていきたい」と述べています。
しかし、現在の円安ドル高が「投機」によるものと割り切ってよいかはきわめて疑問です。
すなわち、ここまで円安ドル高が進行している原因は、円の魅力が薄れ、米ドルに魅力があると考えられていることにあります。
日本政府・日銀がマイナス金利政策を長期にわたり継続しているうえ、日本経済は一向に上向きません。これに対し、アメリカは、新型コロナウイルス禍の下で2020年から金融緩和を行いましたが、その結果として急速に景気が回復し、急激なインフレが発生したため、引き締めに転換し、相次ぐ「利上げ」を行っています。
また、直近でも、アメリカの中央銀行に相当するFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が、11月1日~11月2日のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.75%の利上げ実施を決定する公算が高まっています。
日本とアメリカの金利差と、日本の経済力・国力の相対的な低下から、日本円の魅力が薄れ、米ドルの魅力が高まっているという側面が強いのです。
そのような環境のなかで、「投機」のせいにするのは、悠長に過ぎ、とうてい現実を直視した態度とはいえません。
そもそも、2013年から続くマイナス金利政策・円安誘導政策も、衰えた日本の国力を取り繕うために開始された「一時しのぎ」の策という面があります。そのような策が10年近くにわたり続いていること自体が問題です。
これ以上の金融緩和・利下げができない状況であるにもかかわらず、日本経済はいっこうに回復の兆しを見せません。
求められているのは、為替介入のような一時しのぎ、かつ時流に逆行した対症療法ではありません。国力の低下の根本的原因がどこにあるのかを直視した、実効性のある取り組みを行うことこそが必要とされています。
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