(※写真はイメージです/PIXTA)

給料は上がらないのに、ガソリン代や電気代、食料品はどんどん値上がり──。投資業界では、そうした人々の将来への不安から「少しでも資産を増やしたい」という切実な思いをターゲットにしたマーケティングが盛んです。日本も政府主導で空前の投資ブームと言えるでしょう。しかし、そうして投資行為に着手する前に、一歩立ち止まり、投資の本当の怖さやウラ側についてよく知っておく必要があります。鹿子木健氏の著書『投資で失敗する人 成功する人――あなたの人生を貧しくする投資のウラ側』(自由国民社)から一部抜粋しお届けします。

投資はギャンブルなのか、そうではないのか

さて、「投資はギャンブルではない」という言葉、記憶にありませんか? 「金融リテラシーのない人は投資とギャンブルの区別もつかない。」「ギャンブルだと誤解されている投資の市民権を得るために金融教育している。」

 

そんな言葉をどこかで聞いたり、読んだりしたことはありませんか? 投資を勧める目的で、投資はギャンブルではないことを力説している人が、そもそも投資とギャンブルの違いを理解していない場合がほとんどです。

 

きっと、どこかで聞いたことのある「投資はギャンブルではない」という言説を、なんとなくよい言葉だと思って受け売っているだけでしょう。今はSNSなどで、根拠のない噂話や「よい話」がどんどん拡散されてしまう時代です。受け売りをする場合には細心の注意が必要だと思います。具体的には、自分で調べる、自分で考えるということです。

 

「株式投資なんかギャンブルだ」と言っている人をばかにする前に、本当に株式投資がギャンブルではないことの理由を自分で考えてみてください。

 

株式投資がギャンブルではないと思っている人は、たとえ株価が半分になっても、10分の1になってもギャンブルではないと言い続けられるのかどうか、です。株式投資がギャンブルかどうかという問いに、正しい答えが存在するわけではありません。

 

なんとなく株価が上がりそうだというイメージで決めたり、証券会社や投資系ユーチューバーのお勧め銘柄をうのみにして投資をする人もいれば、明確な投資のルールと銘柄選定基準を自ら策定し、それに沿って投資候補企業の業態や特徴を調べ、決算書をはじめとする財務諸表をチェックし、過去10年、20年の株価と経済の動向をも把握したうえで投資をする人もいます。

 

つまり、ある人にとってはギャンブルであり、ある人にとってはギャンブルではないということなのです。

 

「人生がギャンブルかどうか?」と訊かれたら、どう答えるでしょうか? ギャンブルだ、と言う人もいれば、そうではない、と言う人もいると思います。人生をギャンブルにするか、有意義な投資にするかは、生き方で決まります。そしてギャンブルのような刺激的な人生を楽しめた、という人がいてもよいのです。

投資で失敗する人 成功する人――あなたの人生を貧しくする投資のウラ側

投資で失敗する人 成功する人――あなたの人生を貧しくする投資のウラ側

鹿子木 健

自由国民社

だれでもカンタン、ほったらかし投資でFIRE、ネコでもわかる、一生お金に困らない、お金が勝手に増えていく、今なら間に合う、今日から始めよう…等々。 世の中には投資を勧めるフレーズが溢れています。 2022年からインフ…

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