穀物栽培は前年同期比32.3%減、宿泊、飲食サービス業は35.3%増
スリランカの国内総生産(GDP)は2022年第2四半期に前年同期比8.4%縮小し、中間政権(下層中産階級と富裕な農民層を基盤とする政党で成り立つ政治体制)中央銀行史上最悪の通貨危機に陥っていると、国家統計局が発表した。
農業は8.4%、工業10%、サービスは2.2%収縮した。スリランカ・ルピー換算では、経済は33%膨張した。
停電、燃料不足、輸入原材料、肥料の不足、旅客輸送の途絶が経済に打撃を与えたと統計局は述べた。
スリランカ・ルピーは、2年間の貨幣増刷が深刻な外為不足を引き起こした後、降伏条件付きのフロート制に失敗し、2022年に1米ドル=360スリランカ・ルピーに暴落した。そして2022年5月にスリランカ史上初めてデフォルトに陥った。
農業では、穀物栽培が前年同期比32.3%減、茶が19.7%減、水稲が15.6%減、海洋漁業が15.3%減、ゴムが13.7%減、動物生産が13.6%減、野菜が13.2%減となった。しかし、淡水漁業は11.2%増、ココナッツは10.5%増、林業と伐採は9.0%増、香辛料は3.2%増と小幅な伸びにとどまった。
工業分野では、製造業が5.3%縮小した。しかし、織物、衣料品、皮革関連製品は28.2%増となった。
食品、飲料、タバコ製品の製造は11.0%減少した。石油精製品の製造は78.0%減少した。
GDPの9.5%を占める建設業は16.2%減少、鉱業・採石業は26.7%減となった。
サービス部門では、保険サービスが16.8%減、番組制作・放送活動が8.4%減、住宅所有・不動産活動が6.0%減、商品・旅客輸送・倉庫活動が0.7%減となった。GDPに1.9%のシェアを持つ「ITプログラミング・コンサルタントおよび関連活動」は、4.3%縮小した。
電力不足、燃料不足、為替規制、不透明な事業環境、市民の不安などが第2四半期の成長に大きな影響を及ぼした。
宿泊、飲食サービス業は35.3%増、郵便・宅配便は11.7%増、電気通信サービスは8.6%増、教育サービスは5.0%増、卸売・小売業は1.7%増で堅調に推移した。