(※画像はイメージです/PIXTA)

相続税の課税最低限が2015年以降引き下げられ、昨今では「相続税と贈与税の一体化」が取り沙汰されるなど、相続税対策が身近なものになってきています。そこで、相続対策を組み立てるうえで絶対に知っておいていただきたい3つのポイントを解説します。

もう他人事じゃない!身近になった相続対策3つのポイント

国税庁が2021年12月に発表した「令和2年分 相続税の申告事績の概要」によると、相続税の課税件数割合(被相続人数÷課税対象となった数)は8.8%と、過去最高を更新しています(図表参照)。

 

国税庁「令和2年分 相続税の申告事績の概要」より
【図表】相続税の課税件数割合の推移 国税庁「令和2年分 相続税の申告事績の概要」より

 

2015年に相続税の基礎控除の額が引き下げられたことにより、相続税の課税対象となるケースが急増しました。

 

その前年の2014年の課税件数割合は4.4%だったので、ほぼ倍になっているということです。

 

この事実を目にすると真っ先に「相続税対策をしなければ」と思いつきます。

 

しかし、相続対策は、「相続税対策」だけではありません。それだけに気を取られると、重要なことを見落としてしまいます。

 

相続対策を考えるにあたっては、以下の3つに分けて整理しておくことをおすすめします。

 

1.相続争いの予防

2.相続税対策(相続税の節税)

3.相続税の納税資金準備

 

それぞれについて問題点と解決の方向性を簡単に整理してお伝えします。

税金対策より最優先!相続争いを防ぐために絶対に知っておくべきこと

1つめは、相続争いの予防です。これは相続税対策よりもはるかに重要です。なぜなら、残された家族が仲良くしてくれなければ何もかも無意味だからです。

 

たとえば、仲の良いきょうだいが、相続をめぐって修復不可能なほど険悪な関係になってしまったという話は枚挙にいとまがありません。

 

解決策の方向性としては、以下の2つです。

 

1. 財産をできるだけ分けやすい形にしておくこと

2. どうしても分けられない財産がある場合には遺言を残しておくこと

 

第一に、財産をできるだけ分けやすい形にしておくことです。そうすれば、相続人間で公平に分けやすくなります。

 

現預金の比率を高めておくか、このあとお伝えする相続税対策もかねて、不動産小口化商品や、あらかじめ居室ごとに区分所有登記をしたマンションを購入するなどの方法が考えられます。

 

第二に、それらが困難な場合には、遺言書を残して相続分の指定を行っておくことです。遺言書は公正証書遺言の形をとることが望ましいです。

 

特に問題となるのは、家屋敷や、経営する会社の自社株式等といった財産が大きなウェイトを占めている場合です。

 

この場合、誰か1人にその財産を相続させようとすると、他の相続人の法定相続分、あるいは遺留分を侵害してしまう可能性があります。

 

特に、遺留分については、遺言によっても排除することができません。

 

そうなれば、最終的にはお金で解決するほかありません。すなわち、大きな財産を相続する人が、他の相続人に対し金銭で補償してあげるという方法です。

 

それを見越して、あらかじめ、補償に充てるための資金まで準備しておいてあげるのがベストです。

 

解決策の一つとして、生命保険に加入し、大きな財産を相続する人を受取人に指定しておくことが挙げられます。

 

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