心肺機能は1か月もあれば向上する
▶Q:市民マラソンがこれだけブームになった理由は?
A:実は運動音痴の人に向いているスポーツだから
B:健康ブームで元運動部の人が走ることに目覚めたから
正解はこっち!A:実は運動音痴の人に向いているスポーツだから
■文化系? ランナーの素質あります!
日本では2006年以降、街中を走る大人をよく見かけるようになりました。はたしてこの15年間に、「スポーツが得意な人」が増えたのでしょうか? それとも、元運動部の人が改めて走ることに目覚めたのでしょうか?
いいえ、そうではありません。これだけランニング人口が急増したのは、かつては運動が苦手だった人たちが、走るようになったから。
実は運動が苦手な人ほど、大人になるとランニングにハマりやすいのです。
これにはいくつかの理由があります。
ひとつは、「走る」だけなら、どんなに運動音痴の人でもできるから。例えば、水泳や球技やサーフィン、スノーボードなどは、そのスポーツを行うための技術が必要です。でも、走るのはウォーキングの延長。手足を交互に動かして前に進むだけなので、特別な技術をマスターしなくてもすぐに始められます。
次に、運動経験のない人、運動が苦手な人でも、走り続けてさえいればみるみるうちに、走れる距離が延びていくから。
運動による主な身体的変化は「筋肉量が増える」「体脂肪が減る」、そして「心肺機能が向上する」の3つです。筋肉量と体脂肪量は、変化が表れるまでに最低2、3か月は必要ですが、心肺機能は1か月もあれば明らかに向上します。
心肺機能が向上すると、息が上がりにくくなったり、楽に脚が前に出たりするようになります。最初は500m走るので精いっぱいだった人も、続けていれば1km、2kmと、なんと1週間単位で楽に走れる距離が延びていきます。早い人なら3か月で10km程度は楽に走れるようになるのです。
走るたびに成果を実感できるので、毎回、「自分でもできるんだ!」という自信につながります。
ですから運動にいい思い出のなかった人ほど、ハマっていくのです。
なかには「そうは言っても長く走り続けるなんて苦しいし、無理です」と、思いきれない人もいるでしょう。
でも、まったく心配ありません。
「走ってみたけど挫折した」という方の話を聞くと、はじめから頑張りすぎる傾向があります。だから、「ツラい」「苦しい」「やっぱり無理」という気持ちになってしまう。
でも、「苦しくても走り続けなさい」なんて、誰が決めたのでしょう?
苦しくなったら、歩けばよいのです。しばらく歩いて、心拍が落ち着いたらまた走ればいいし、そのまま歩ききってもOK。これをくり返すうちに、走れる距離はおのずと延びていきます。
「走る自信がない」とずっと二の足を踏んでいた方ほど、間違いなく、ランナーになる素質を秘めています。
「自分には無理」と決めつけず、騙されたと思って、家の周りをちょこっと走ってみませんか?
中野ジェームズ修一
PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー
米国スポーツ医学会認定運動生理学士
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