資産運用において、米国や欧州、日本などの先進国の株式と中国やブラジルといった新興国の株式にバランスよく分散投資(国際分散投資)をすると、リスクを抑える効果があります。しかし、国際分散投資さえすればよいというわけではありません。では、理想的な運用にするにはどうしたらよいのでしょうか? 株式会社sustenキャピタル・マネジメントCEOの岡野大氏と、同社CIOの山口雅史氏が解説します。

「株式」とは逆相関が期待できる資産「債券」

債券による分散効果

逆相関と聞いて、債券を思い浮かべる人は多いと思います。下の図表2を見て分かるとおり、2000年代に入ってからは確かに逆相関の傾向が強くなっています。

 

ただ、歴史を振り返るとずっと逆相関の傾向にあったわけではなく、1990年代以前は株の値動きと連動する正の相関関係にありました。

 

[図表2]株式と債券の相関係数の変化

 

このグラフだけを見ると直近では高い分散効果が期待できるように思えますが、将来にわたってずっと逆相関が維持されるわけではありません。

 

さらにいえば、株式と債券が逆相関の関係にあったとしても債券は値動きの変動リスクが小さいためポートフォリオ全体の分散効果に与えるインパクトが弱く、単純に資産の数%を債券に投資しても分散効果に対する寄与度は限定的であることも留意すべきです。

 

 

岡野 大

株式会社sustenキャピタル・マネジメント 

代表取締役 最高経営責任者 CEO

 

山口 雅史

株式会社sustenキャピタル・マネジメント 

代表取締役 最高投資責任者 CIO

 

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※本連載は、岡野大氏、山口雅史氏の著書『最新の金融工学でかなえる 理想の資産運用』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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