日本の「寝たきり高齢者の数」はスウェーデンの3倍。健康寿命に差がつく“意識” (※写真はイメージです/PIXTA)

健康寿命を延ばすためには病気にならないことが必須であり、そのためには自身で病気を予防することが欠かせません。しかし日本は、世界有数の医療先進国でありながら、病気になる前に予防する「予防医学」の浸透が遅れています。日本と海外との予防意識の差は、日本人にどんな結果をもたらすのか。歯科医師の金子泰英氏が解説します。

「歯の健康維持」は「健康寿命の延伸」につながる

歯科の側面から見ても日本と海外の予防意識の差は明確です。現在、歯科医療が世界一発展しているスウェーデンでは、寝たきり高齢者の数が少なく、一方で日本はその3倍であるといわれています。また、高齢者の歯の残存数にも大きな隔たりがあります。

 

歯科への通院目的を調査した結果を見ると、スウェーデンとアメリカは予防目的が圧倒的に多く、対照的に、日本では虫歯治療が主流であることが分かります。いかに日本人が普段から歯に気を使わないかが見て取れます。

 

出典:「日本・アメリカ・スウェーデン3ヵ国のオーラルケア意識調査Vol.2」ライオン株式会社2014調査
【図表】日本・アメリカ・スウェーデンのオーラルケア意識調査 出典:「日本・アメリカ・スウェーデン3ヵ国のオーラルケア意識調査Vol.2」ライオン株式会社2014調査

 

歯を失うのは決して年齢のせいだけではありません。一人ひとりが歯に対して重要性を理解し、日々の予防を徹底することにより歯の寿命は確実に延ばすことができるのです。

 

スウェーデンでは、地域ごとにホームドクターが決まっています。1年間のうちに1~2回は定期健診、クリーニングを受けないと保険が下りない制度になっているので、国民全体が虫歯や歯周病になりづらい環境になっているのです。これにより国民の歯は年を取っても残るようになりました。歯周病は誤嚥(ごえん)性肺炎や脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病といった疾病の原因となったり、悪化の要因になったりすることがあります。歯科分野でのこうした取り組みが、健康寿命の延伸にもつながるのです。

 

高齢化に伴う社会保障費の増大、それを補うための増税など、議論が絶えない昨今ですが、私は、まずなによりも「予防を重視し、病気にならないようにする」ことが第一だと考えています。日本でも国民一人ひとりが歯の重要性を知り、定期健診、クリーニングなどの予防を率先して行うことが、健康寿命を延ばすカギになります。

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    医療法人KANEKO DENTAL OFFICE 理事長・院長

    1971年栃木県生まれ。
    1995年に日本大学歯学部を卒業し、3年後にKANEKO DENTALOFFICEを開業。2015年に宇都宮に移転すると同時に法人化。
    アメリカ、スウェーデン、ドイツなどで歯科治療の研鑽を積み、保険診療が当たり前になっている日本の医療制度に疑問を感じた。
    より高度な治療をするためには自由診療での治療が必須だと考え、現在は完全自由診療で歯科治療に従事している。
    また、5年前からはカンボジアでボランティア活動を行っており、予防医療の重要性を再認識するに至る。
    前著に『あなたの歯のかみあわせのコンプレックスを幸せにかえてみませんか?』(海苑社)がある。

    著者紹介

    連載予防弱者…知らぬ間に不健康に陥る日本人

    ※本連載は、金子泰英氏の著書『予防弱者 知らぬ間に不健康に陥る日本人』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    予防弱者 知らぬ間に不健康に陥る日本人

    予防弱者 知らぬ間に不健康に陥る日本人

    金子 泰英

    幻冬舎メディアコンサルティング

    「病気になったら治す」では、気づかぬうちに病魔が進行していることも…。 病気は「治す」時代から「予防する」時代へ! 医療技術の進歩がめざましい今、欧米を中心とした先進国では「予防医学」が着目されるようになって…

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