「たくさん解く」よりも「理解して解く」を意識する
小4の「スピーディー&スロー」計画表(第12回参照)から算数に関係する箇所を抜粋したのが図表1です。
小4算数の「スピーディー&スロー学習」の1週間は、❶から❻のような流れになります(これに、毎朝の10分[日曜日は20分]の計算学習が加わります)。
❶塾の授業中に「○△×」の印をつける
❷帰宅後、△印2問を復習→スロー
❸塾の翌日、前日の△印を解く→スロー
❹塾の翌日、宿題の問題を解く→スロー
❺塾の翌々日、△印のできなかった問題を塾で質問→スロー
❻❺の2日後、△印をテストのつもりで再演習→スピーディー
❶塾の授業中に「○△×」の印をつける
算数の学習は、塾で授業を受けている最中、問題に次のような趣旨で「○」「△」「×」の印をつけて分類しておくことが、他科目にくらべてとても大事になります。
○=「絶対、大丈夫!」
△=「たぶん大丈夫、ちょっと心配」
×=「ムリ!」
塾で習った問題にこれらの印がついているだけで、家に帰ってからの復習がスムーズになり、「スロー学習」をじっくりと進めていくことができます。
この「○△×式」は、親御さんにお願いしたい非常に大切なフォローです。声かけを工夫して、習慣づけてください。
❷帰宅後、△印2問を復習
塾から帰宅後、少しでいいので復習の時間をとります。
「復習=宿題をすること」と考えている人が多いのですが、「宿題」と「復習」はまったく別物です。「復習」というのは、塾で習ってきたことを定着させるためのものです。
復習の方法はシンプルです。塾で△印がついたものを2問、自分でもう一度解くのではなく、親御さんを相手に、「この問題は○○の公式を使って、それで……」「この三角形ABCにこうやって線を引いて……」と、解き方を説明させるのです。
子どもが話している間は、親御さんは口を挟まず、あいづちを打ちながら聞き役に徹します。「聞いてくれている」という安心感があれば、子どもは一生懸命説明してくれます。
そうやって自分の言葉で説明するうちに、あやふやだった部分がはっきりわかり、「次は解けるかも!」という自信へとつながっていくのです。
うまく説明できたら「なるほど!」「うん、よくわかったよ」と褒め、詰まったりする様子ならば、「明日、復習してからまた教えてね」と声をかけます。授業プリントやノートに図が書いてあるようなら、「その図、板書を写すの大変だったでしょう」などと触れてあげることで、復習に「書く・スロー学習」の要素をご家庭で足していけます。
「早くお風呂に入れなきゃ」と親御さんが焦る気持ちもわかりますが、そこは大らかにかまえ、お子さんの話をゆったりとした気持ちで聞いてあげてください。
塾から帰宅後のこの「スロー学習」が、算数の力を培っていくためにはとても重要です。
「お母さん、算数が苦手だから来週も教えてね。忘れないようにフセンに書いておいて〜」と気楽にお願いしてみると、子どものやる気に火がつくかもしれません。