日頃の薬や毎年の健康診断、当たり前と思っておいたことを一度振り返ってみると意外なことがわかるかもしれません。健康的な老後を過ごすために、70代ですべきことを「こころと体のクリニック」院長の和田秀樹氏が健康的な老後の過ごし方について解説します。※本連載は和田秀樹氏の共著『70歳からの生き方が寿命を決める!健康長寿の新常識』(宝島社)から一部を抜粋し、再編集したものです。
介護は公的機関を活用、看取りは在宅で
近年、自宅で最期を迎えることを希望する人が増えています。ほんの少し前まで、病院で最期を迎えることが当たり前で、「最期は住み慣れた自宅で」と口にすることもかなわなかったことを考えると、時代は変わったのでしょう。
この背景には、「2025年問題」があります。約800万人いる団塊世代が2025年に75歳を迎え、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢社会に。
少子化も進み、近い将来、医療機関や医療スタッフの数が不足し、現場が機能しなくなることを踏まえ、地域の包括的な支援・サービスを整えることで、医療・介護を必要とする人にスムーズに届けられる仕組み「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。
これにより、かかりつけ医の機能が確立され、訪問介護・訪問看護、通所介護などのサービスが推し進められることとなりました。
ですが、地域包括ケアシステムはまだ歴史が浅く、これまでに幾度となく制度が改定されています。また、介護する側にとって、終わりの見えない自宅での介護は肉体的にも精神的にも金銭的にも負担が大きいのが実情です。
ともすれば共倒れになってしまいかねない在宅での介護は可能なかぎり医療機関や公的サービスを利用し、最期の目途がついている在宅看取りについては前向きに検討しましょう。そのために、なにを準備し、なにを優先させるかを事前に家族で話し合っておく必要があります。
高齢者のうつは身体的症状も出ることに注意
高齢者のうつは、「気分が落ち込む」「ものごとに対する興味が湧かない」などの精神的な症状に加え、「食欲がない」「よく眠れない」「体がだるい」「疲れやすい」などといった身体的な症状が表に出てくるのが特徴です。
これらは老化現象のひとつとして片づけられがちで、正しくうつと診断されづらいところに問題を含んでいます。また、認知症の初期症状としてしばしばうつ症状が出ることがあり、老年期のうつ病と認知症にともなううつ症状では、検査や治療法が異なるため、注意が必要です。
見分け方としては、認知症が1年単位でゆっくり時間をかけて進行するのに対し、うつは1ヵ月ほどで急に症状が現れるので、家族はよく観察することが大切です。
病院を受診しても不調が続いたり、薬を飲んでも症状が改善されない場合は、迷わず精神科や心療内科に相談してください。
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精神科医
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、浴風会病院精神科、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、立命館大学生命科学部特任教授、和田秀樹 こころと体のクリニック院長。老年精神科医として、30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』『老化恐怖症』など著書多数。
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連載70歳の危機を乗り越える、健康的な老後の過ごし方