パートでの厚生年金加入を検討している既婚女性。将来は5年間海外留学し、その後は再就職して60歳で定年退職というプランを描くシングル女性。それぞれ、年金額はどのようになるのでしょうか。ライフスタイル別にシミュレーションしてみます。※本記事は、井戸美枝氏の著書『一般論はもういいので、私の老後のお金 「答え」をください!増補改訂版』(日経BP)を抜粋・再編集したものです。
ケース①…既婚のパート、厚生年金加入を検討
既婚、パート、40歳、年収103万円
65歳からの年金予想額:年123万6900円(注:本人分のみ)
今後予定している働き方:「パートの年収を上げる」「厚生年金にも加入する」
35歳で正社員を退職、3年間の専業主婦期間を挟み、パートで働く40歳女性。現在は会社員である夫の扶養家族ですが、パートの年収を上げて、厚生年金に加入しようかと考えています。
現在40歳の彼女の「ねんきん定期便」には、「これまでの加入実績に応じた年金額」が表示されています。厚生年金年約18万円、基礎年金年約39万円で合計年約57万円。40歳以降、働く時間を増やし厚生年金に加入。年収200万円で65歳まで働くと、年金は年約124万円、月約10万3000円に。扶養家族のままの場合に比べて厚生年金が年約28万円増になります。パート勤務でも、厚生年金加入で年金上乗せが可能です。
パートの年収を160万円以上に上げ、厚生年金にも加入するとその分、年金額はグッと増えます。iDeCoなどを活用し、じぶん年金をつくることもお勧め。
★アドバイス
社会保険の適用条件は拡大傾向にあり、パートタイムでも、給与や労働時間について一定の条件をクリアすれば、厚生年金に加入できるケースが増えています。
★年金額をもっと増やすには?
□ パートの年収を上げる
□ 厚生年金に加入する
井戸美枝事務所 代表
ファイナンシャルプランナー
社会保険労務士
産業カウンセラー
井戸美枝事務所代表。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、産業カウンセラーとして活動。生活に身近な経済問題をはじめ、年金、社会保障などについて、難しい事でも分かりやすくをモットーに数々の雑誌や新聞に連載を持つ。また、各地での講演やテレビ・ラジオ出演も精力的にこなしている。得意分野は、キャリアプランを含むライフプラン、シンプルライフのすすめ、お金とのつきあい、企業年金、保険・年金・介護などの公的保障。趣味は散歩、アナトミックヨガ。
著作に『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(2020年、日経BP)、『オーバー40歳でも大丈夫!おひとりさまでも大丈夫!私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(2021年、日本実業出版社)などがある。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載「私の老後のお金、どうなるの?」著名FPがズバリ快答!