「シングルで定年まで働いた場合」「共働きで定年まで働いた場合」「出産後10年専業主婦をする場合」…。それぞれ、年金額はどのようになるのでしょうか。ライフスタイル別にシミュレーションしてみます。※本記事は、井戸美枝氏の著書『一般論はもういいので、私の老後のお金 「答え」をください!増補改訂版』(日経BP)を抜粋・再編集したものです。

ケース③…出産後10年は専業主婦をする場合

既婚、派遣社員、36歳、年収250万円

 

65歳からの年金予想額:年104万1500円(注:本人分のみ)

今後予定している働き方:「出産を機に10年専業主婦」「パートタイムで60歳まで働く」

 

 

第1子妊娠中の36歳。年収250万円の派遣社員で育休取得後に復職。40歳で第2子出産後10年間は、夫の扶養に入り子育てに専念する予定。

 

現在36歳の彼女の「ねんきん定期便」の「これまでの加入実績に応じた年金額」では、厚生年金部分が年約22万円、基礎年金部分が年約31万円で、合計年間約53万円。予定通り40歳以降専業主婦となり、50歳以降のパート勤務も夫の扶養範囲内だと、将来の年金額は約104万円、月約8万7000円です。一方、年収250万円の派遣社員で働き続ける場合、年金額は約131万円、年間で約27万円増に。50代以降、夫の扶養の範囲を超えて働くことでも年金額がアップします。

 

注:夫の年金額は、平均年収500万円で22歳から60歳まで(38年間)働いた場合で試算
注:夫の年金額は、平均年収500万円で22歳から60歳まで(38年間)働いた場合で試算

 

派遣社員を辞め、夫の扶養となると、受け取れる年金額が減り、老後が不安に……。働き続けて、自分名義の年金を増やしましょう。

 

★アドバイス 

産前・産後休業期間、育休期間は厚生年金保険料が免除されるうえ、厚生年金加入期間として年金額に反映されます。出産後も仕事を辞めず、働き続けることを検討しましょう。

 

★年金額をもっと増やすには? 

□ 派遣社員を辞めずに厚生年金の加入を維持する

 

★50歳~・パートタイム・再就職した場合の【年収×勤務年数別 年金予想額早見表】

 

★年収×勤務年数別 年金予想額早見表(105万円~150万円)

 

 

★年収×勤務年数別 年金予想額早見表(200万円~400万円)

 

注:49歳以前の働き方による厚生年金分などは計算に含まない、老齢基礎年金77万7800円(40年加入)含む
注:49歳以前の働き方による厚生年金分などは計算に含まない、老齢基礎年金77万7800円(40年加入)含む

 

早見表は、50歳以降の再就職分の年金を表したもの。厚生年金に加入することで、年金額は確実にアップします。年収200万円で50歳から65歳まで働くと、年金額は年約17万円増えます(老齢基礎年金分を除いた差額)。

 

 

井戸 美枝
井戸美枝事務所 代表
ファイナンシャルプランナー
社会保険労務士
産業カウンセラー

一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版

一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版

井戸 美枝

日経BP

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