「シングルで定年まで働いた場合」「共働きで定年まで働いた場合」「出産後10年専業主婦をする場合」…。それぞれ、年金額はどのようになるのでしょうか。ライフスタイル別にシミュレーションしてみます。※本記事は、井戸美枝氏の著書『一般論はもういいので、私の老後のお金 「答え」をください!増補改訂版』(日経BP)を抜粋・再編集したものです。

ケース②…共働き・公務員夫婦、定年まで働いた場合

既婚、公務員、30歳、年収450万円

 

65歳からの年金予想額:年189万2700円(注:本人分のみ)

今後予定している働き方:「共働きで働き続ける」「60歳で定年、65歳まで再雇用」

 

 

30歳、夫婦とも公務員の共働き。今後は、2児を出産、育児休業と短時間勤務を挟んで60歳の定年まで働き続け、65歳まで再雇用制度を使う予定です。年収は新卒時300万円、40歳で年収500万円に。夫は公務員時代を通して平均年収が500万円。

 

現在30歳の彼女の「ねんきん定期便」には、「これまでの加入実績に応じた年金額」が表示されています。その額は厚生年金部分が年約17万円、基礎年金部分が年約19万円で、合計年間約37万円です。

 

今後働き続けて上乗せされる分と、夫の年金分を合わせると65歳以降、夫婦合計の年金額は月約32万円。まさにフルタイム共働きは最強の選択肢といえます。

 

注:夫の年金額は、平均年収500万円で22歳から65歳まで(43年間)働いた場合で試算
注:夫の年金額は、平均年収500万円で22歳から65歳まで(43年間)働いた場合で試算

 

世帯収入が高い分、教育資金などに財布のヒモが緩みがちに。iDeCoやつみたてNISAを使った老後資金づくりも。

 

★アドバイス 

老後資金づくりのお薦めはiDeCo。掛け金が全額所得控除されたり、運用益が非課税だったりと、手厚い税制優遇を受けられるため、お得に老後資金を積み立てることができます。

 

★年金額をもっと増やすには? 

□ 65歳以降も働き続け、厚生年金に加入

□ iDeCoやつみたてNISAを活用

 

★共働き・会社員・夫婦が合算した場合の【年収×勤務年数別 年金予想額早見表】

 

★共働き妻の年収×勤務年数別 年金予想額早見表(200万円~400万円)
※世帯合計

 

 

★共働き妻の年収×勤務年数別 年金予想額早見表(450万円~700万円)
※世帯合計

 

注:夫の平均年収が500万円、22歳から60歳まで勤務という想定の夫婦合計の年金額含む。 夫婦とも老齢基礎年金77万7800円(40年加入)含む。
注:夫の平均年収が500万円、22歳から60歳まで勤務という想定の夫婦合計の年金額含む。
夫婦とも老齢基礎年金77万7800円(40年加入)含む。

 

シングルと比べて、フルタイム共働き世帯の年金は非常に充実しています。夫婦ともども年収500万円(35年間、厚生年金加入)の場合で、年金額は月約30万円。日ごろからしっかりと貯蓄をしておけば、年金+貯蓄で十分豊かな老後を送れるでしょう。

 

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一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版

一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版

井戸 美枝

日経BP

ベストセラー『一般論はもういいので、私の老後のお金 「答え」をください! 』の増補改訂版。 2022年の年金制度改定に対応し、最新情報を盛り込みました。 日経WOMANの調査では、今、働く女性の約85%が老後のお金に不安を感…

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