前回は、建建売住宅の「床下の水漏れ」をチェックする方法について説明しました。今回は、「パイプ」「断熱材」周辺の施工不良を発見する方法を見ていきます。

パイプ施工の「重大な瑕疵」が事故につながる理由

ポイント⑧ パイプの貫通部はきれいになっているか

家の床下には、水道管やガス管などのさまざまなパイプが走っています。これらの施工が雑に行われていると、大きな事故につながる場合もありますので、要チェックです。

パイプはコンクリートの基礎に穴を開けて通しています。通常は、パイプの周辺部がパテできれいにふさがれた状態になっていますが、ときとして、基礎に無理やり穴を開けたようになっていて、パイプ周辺部に隙間ができてしまっているケースがあります。

これでは、基礎の強度が保てません。「貫通部の施工不良」です。基礎内部の鉄筋を切ってしまっている場合は、重大な瑕疵として購入を断念したほうがいいと思います。

それ以外の場合は、モルタルやエポキシ樹脂などで適切な補修をしてもらえば問題ありません。

断熱材の雑な施工を確認する「目視と温度計測」とは?

ポイント⑨ 断熱材は入っているか

フローリングの下には断熱材が貼られていますが、これがきちんと納まっていないことがあります。また、床下点検口付近の断熱材の貼り忘れも高い頻度で見かけます。床下からのぞき込むと断熱材が貼られている様子を実際に見ることができるので、目視で確認してください。

また、雑な貼り方をしたために、断熱材が垂れ下がっていることがないかも注意して見てください。もし問題が発覚した場合でも、引き渡しまでに修理してもらえるように交渉すれば間に合いますので、チェックさえしっかり行えば過剰な心配はいりません。

また、完成後に目視で確認できない箇所の断熱材の施工状況については、内部の温度変化を調べることによって確認します。たとえば「赤外線サーモグラフィー」を使った温度測定がそのひとつです。

木造住宅の場合、壁や床に断熱材が入っていないと断熱効果がゼロに等しく、暑さや寒さがダイレクトに建物内に伝わってしまいます。

外気温との差や測定箇所の状況比較から、断熱材の有無を確認していくのですが、実際に、この温度測定によって、断熱材が部分的に欠落したり、貼り忘れていたといった施工不良を発見したケースもあります。

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    本連載は、2015年6月25日刊行の書籍『こんな建売住宅は買うな』から抜粋したものです。その後の法律・条例改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    こんな建売住宅は買うな

    こんな建売住宅は買うな

    田中 勲

    幻冬舎メディアコンサルティング

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