2022年の消費者物価指数から読む「物価上昇の実情」
「年金が振り込まれた通帳をみたら、年金額が減ってたんです! 年金額は物価の変動に連動するんじゃなかったでしたっけ? 最近こんなにいろいろな物の値段が上がっているのに…これ以上何を切り詰めていけば…」
そう語るのは、年金で老後生活を送っているAさん。
最近、物価の上昇がよく話題になります。スーパー等へ買い物に行くと、いろいろなモノの価格上昇を実感するのではないでしょうか。
さて、実際に物価がどれぐらい上がっているか、2022年の消費者物価指数を見てみましょう。
1月:0.5%、2月:0.9%、3月:1.2%
4月:2.5%、5月:2.5%、6月:2.4%
これまでもじわじわと物の値段は上がっていましたが、多くの方がモノの値段が一層高くなったと実感し始めたのは、4月頃だと思います。それを反映する様に、4月からの上昇率が高くなっていますね。
それに対して、働いている方が受取るお給料はというと、2021年の発表では1.84%上昇したようです※1。
※1 2021年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)
また、商工リサーチのアンケート結果よると、2021年は大企業の74.1%、中小企業の64.8%が「賃上げを実施する」と回答しています※2。
※2 2021年度「賃上げアンケート」調査:東京商工リサーチ(tsr-net.co.jp)
物価の上昇には追い付きそうにありませんが、働いている方が受取るお給料は、少しですが増えていく予定です。
一方、リタイア世代が受取る年金はどうなっているかというと、2022年度はなんと0.4%減っています。
実際の年金額は、国民年金を満額受取れる方で、2021年度は65,075円(月)もらえていたのに対し、2022年度は64,816円(月)と、毎月259円少なくなりました。259円なんて微々たるものと思われるかもしれませんが、年金だけで生活している方からすると、見過ごせない問題です。ただでさえ物価が上がっているのに「これ以上なにを節約したらいいのか…」と、頭を悩ませているなかでの年金の減額なのです。
「年金額は物価の変動に連動するのでは?」と思われた方、正解です。正確には、公的年金は物価上昇率、もしくは賃金上昇率のどちらか小さいほうに連動する仕組みになっています。
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