(写真はイメージです/PIXTA)

富裕層やパワーカップルに人気のタワーマンション……利便性やステータスのほか、「税金対策」も人気の理由として挙げられます。ただ、Authense法律事務所の堅田勇気弁護士は、税金対策としてタワマンを購入する場合に気をつけなければならない「2つのリスク」があるといいます。詳しくみていきましょう。

「タワーマンション購入による節税」について

相続が発生すると、お亡くなりになった方が所有していた財産に相続税が課税されます。

そのため、なるべく相続税が安くなるよう、生前に相続財産の組み換えを検討される方も多いです。

 

財産の組み換えのなかで、「タワーマンションを購入」して、相続税を低くするという手法が用いられることもあります。

 

ここでは、タワーマンションを購入するとなぜ節税になるのか、タワーマンションを購入して節税対策をとる場合の注意点を詳しく解説していきます。

タワーマンションを購入すると節税につながる理由

①現金を不動産とすると相続税評価額が下がるため

不動産の相続税評価は、原則として、土地は路線価評価、建物は固定資産税評価で計算されます。

 

路線価評価は、時価の80%程度とされています(地域によって、路線価と時価との差異は異なりますので、詳しくは税理士にご確認下さい)。よって、不動産を購入すると相続税の課税財産が目減りすることとなります。

 

【被相続人が現金1億円を保有している場合】

  • 現金1億円のまま⇒ 相続税算定時に1億円として評価される
  • 現金1億円で不動産を購入する⇒ 相続税算定時に路線価評価(時価の80%程度)で評価される⇒ 不動産を購入したことで、相続税の課税財産が約2000万円減ることに!

 

②高層階と低層階とで路線価に差異が無い(※固定資産税評価は改正あり)

タワーマンションの場合、土地や建物はマンション全体が同じ価値として評価算定されていました。

 

そのため、実際の売却価額では高額取引がなされる高層階のマンションについては、相続税の課税評価額と市場取引額との差が大きくなり、相続税の節税につながるとされていました。

 

なお、固定資産税評価については、あとに述べるように、2018年度から新たに課税されることとなる居住用建築物につき、上層階の評価額が上がり、低層階の評価額が下がるよう地方税法が改正されています。

 

①②とあわせて、小規模宅地の特例を活用できる場合は、タワーマンション購入による節税効果は非常に大きくなります。

 

ただし、このタワーマンションを用いた節税については、税務署に否認されるケースが出てきたり、固定資産税が見直されたりしましたので、必ず税理士に相談の上、検討するようにしましょう。

 

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