心の成長に年齢は関係ありません。乳幼児の時期を過ぎても、学童期、思春期、青年期、中年期、老年期とライフサイクルのなかで起こるさまざまなできごとを乗り越えて心は成長していきます。精神分析家のエリクソンは、一生を8段階に分けて心の発達を考えました。本稿では乳幼児以降に訪れる大きな過渡期にスポットを当てて、心の発達段階を見ていきましょう。精神科医・庄司剛医師が解説します。
心の成長に年齢は関係ない
このように発達段階を説いたエリク・エリクソンは、1950年代からおおよそ1970年代ごろまでに活躍した重要な分析家です。今でもとても役に立つアイデンティティや基本的信頼感といった重要な概念を提唱した人であることは確かですが、一方でライフサイクルなどに関する考え方は文化や思想の影響を強く受ける部分があります。
例えば江戸時代やそれ以前の思春期、青年期ではまったくその様相や人生上の課題が今の時代と違っていたり、ジェンダー・アイデンティティに関することなど、数十年前の説明が現代に合わなくなるというようなことがいろいろ出ていることも事実です。
いずれにせよ、それぞれの時期に起こるさまざまなできごとを乗り越えることで心は成長していくため、心の成長に年齢は関係ありません。いかに問題から逃げずに向き合い、受け入れていけるかが重要です。
庄司 剛
北参道こころの診療所 院長
北参道こころの診療所 院長
1999年に筑波大学医学専門学群卒業後、東京大学医学部附属病院心療内科、長谷川病院精神科を経て2008年~2013年までロンドン、タビストッククリニックに留学。
帰国後、心の杜・新宿クリニックに在籍し、2021年より医療法人イプシロン北参道こころの診療所に勤務。
<所属学会>
日本精神分析学会
日本精神分析的精神医学会
日本心身医学会
日本精神分析協会訓練生
<資格>
精神保健指定医
BPC(British Psychoanalytic Council) Psychodynamic Psychotherapist
TSP(The Tavistock Society of Psychotherapist) メンバー
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