堅調地合いが一転…ここからの日経平均株価をどうみるか【ストラテジストが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

 

●日経平均は6月3日、三角保ち合いの上値抵抗線を上抜けたものの結果的には「だまし」となった。

●背景にあったのはSQ算出に絡む一時的な需給変化、今回はFOMCが上抜け、下抜けに影響か。

●世界的な株安のなかで日経平均も厳しい状況にあるが、長期的にみれば上昇トレンドは継続中。

日経平均は6月3日、三角保ち合いの上値抵抗線を上抜けたものの結果的には「だまし」となった

先月から足元までの日経平均株価の動きを振り返ってみると、5月12日に25,688円11銭の安値をつけた後(取引時間中、以下同じ)、徐々に水準を切り上げ、5月23日には27,000円台を回復して取引を終えました。その後も堅調な推移が続き、6月9日には、一時28,389円75銭の高値をつけましたが、翌日以降、堅調地合いが一転し、6月14日には一気に26,357円90銭まで下落しました。

 

なお、日経平均株価は年明け以降、「三角保ち合い(さんかくもちあい)」を形成しており、テクニカル分析では、上値抵抗線を上抜ければ大幅高、下値支持線を下抜ければ大幅安につながると解釈されます。日経平均株価は、6月3日に上値抵抗線を上抜けましたが、前述の通り、地合い一転で大幅高にはつながらず、いわゆる「だまし」となりました(図表1)。

 

[図表1]日経平均株価の三角保ち合い

(注)データは2022年1月4日から6月14日。

(出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

背景にあったのはSQ算出に絡む一時的な需給変化、今回はFOMCが上抜け、下抜けに影響か

先週、日経平均株価の堅調地合いが一転したのは、6月10日に算出された特別清算指数(SQ)の影響が大きいと思われます。詳細は6月8日付レポートで解説していますが、SQが算出される週は、清算価格を巡る思惑的な売買が膨らみやすい傾向があります。そのため、日経平均株価は、SQ算出前の一時的な需給要因で大きく上昇し、SQ算出後は需給要因の剥落で大きく下落したと考えられます。

 

この点を踏まえると、三角保ち合いの上値抵抗線の上抜けは、SQ絡みによるものである公算が大きく、結果的にだましになってしまったと解釈されます。日経平均株価は現在、再び三角保ち合い内で推移しており、改めて上抜けか、下抜けかが注目されますが、今回は、日本時間の明日午前3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が、大きく影響すると思われます。

世界的な株安のなかで日経平均も厳しい状況にあるが、長期的にみれば上昇トレンドは継続中

海外に目を向けると、米国で金融引き締めが加速するとの懸念が強まり、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数は連日年初来安値を更新、米株安の流れが世界の株式市場に広がっています。米国の景気後退を懸念する向きも増えつつあることから、株式市場は、米景気が冷え込む前にインフレが沈静することを確認できるまで、不安定な動きが続く恐れもあります。

 

日経平均株価にとっても、しばらく厳しい環境が予想されますが、少し長期の視点でみると、上昇トレンドは継続中です(図表2)。

 

[図表2]日経平均株価の長期上昇トレンド

(注)データは2012年1月から2022年5月。ローソク足は月足。上値抵抗線は2013年5月高値と2018年1月高値を結んだ線。下値支持線は2012年10月安値と2016年6月安値を結んだ線。

(出所)Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

このトレンドの下値支持線を年末まで伸ばすと、6月末、9月末、12月末の水準は、それぞれ25,450円、25,900円、26,350円となります。日経平均株価が、各時点でこれらを大きく下抜けることがなければ、年末にかけて値を戻していく可能性は残ると考えています。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『堅調地合いが一転…ここからの日経平均株価をどうみるか【ストラテジストが解説】』を参照)。

 

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフマーケットストラテジスト

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト

旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)で為替トレーディング業務、市場調査業務に従事した後、米系銀行で個人投資家向けに株式・債券・為替などの市場動向とグローバル経済の調査・情報発信を担当。
現在は、日米欧や新興国などの経済および金融市場の分析に携わり情報発信を行う。
著書に「為替相場の分析手法」(東洋経済新報社、2012/09)など。
CFA協会認定証券アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員。

著者紹介

投資情報グループは、運用や調査経験豊富なプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの情報発信を行っています。幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、年間で約800本の金融市場・経済レポートの発行の他、YouTube等の動画、Twitterでの情報発信を行っています。

著者紹介

連載【市川雅浩・チーフマーケットストラテジスト】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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