前回に引き続き、単身者や専業主婦だからこそ、保険加入を早めにするべき理由を説明します。今回は、女性に重点を置いて見ていきましょう。

大黒柱である「男性の保険加入」に意識が行きがちだが…

女性の保険加入に関しては、盲点になってしまっていることがあります。これまで、どうしても男性を中心に保険の話をしてきたので女性は「自分は必要ないのでは」と思ってしまったかもしれませんが、それは大いなる誤解です。

 

女性の場合、特に既婚の女性は、ご主人が家計を支えている家庭が多いためか、女性の保険に対する意識が低くなりがちです。まったく保険に加入していない、もしくは加入していても医療保険だけといったパターンが少なくありません。

 

確かに、多くの場合、収入の大黒柱であるご主人が亡くなった場合、一家の収入はそこで閉ざされてしまいますから、男性の死亡保険が重視されるのは当然でしょう。

子どものいる家庭では、思った以上に大きい女性の影響

では、本当に奥様が亡くなったところで家計に影響はないと断言できるでしょうか。私はそうは思いません。

 

最近は育児や家事を夫婦で平等に負担する家庭も増えてきています。しかし、小さな子どもがいる家庭では、どうしても母親である女性の役割が大きくなります。そんな時期に奥様が亡くなったら、ご主人はどうすればよいのでしょうか。

 

女性の皆さんは、自分のご主人がまだ手のかかる子どもを抱え、仕事もこなさなければならないシングルファーザーになったときのことを想像してみてください。

 

子どもの面倒を見てくれる人、例えば両親などが近くに住んでいれば多少は楽になるかもしれませんが、それでも体力的、精神的、そして時間的な余裕はなくなります。それに仕事を続けるためにベビーシッターやお手伝いの人を雇うにはお金がかかりますから、これまで通りの収入では家計のやりくりが大変になります。

 

それだけではありません。家事を負担していた女性がいなくなると、外食が増えたり、家で洗っていた洗濯物をクリーニングに出したりといったように家事をアウトソーシングする割合が増加します。そしてその分の支出が増え、余計に家計を圧迫します。

 

それに残業も思うようにできなくなりますし、休日出勤時はどうするのか、転勤になったらどうするのかなど、今までの働き方を全面的に見直さなければならなくなるかもしれません。

 

職場に理解があればよいですが、場合によっては退職しなければならなくなることもあるでしょうし、そうなると当然収入は途絶えてしまいます。

 

この話は次回に続きます。

本連載は、2015年6月26日刊行の書籍『死亡保険金は「命の値段」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

死亡保険金は「命の値段」

死亡保険金は「命の値段」

杉山 将樹

幻冬舎メディアコンサルティング

命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。 加入者は要望に合わせて自由に保険を選べるようになったものの、その選び方…

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