大阪と京都は、太古の昔に何度も水没している?
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近畿三角帯、堆積盆地
近畿には山地と盆地が交互に並ぶ地帯があり、「近畿三角帯」と呼ばれています。エリアは日本海側の若狭湾東部の敦賀付近を頂点として、淡路島とを結ぶ左辺と、伊勢湾とを結ぶ右辺、紀伊半島北部を東西に走る中央構造線を底辺とする三角形の内側です。
このエリアの中には、東海湖盆、古琵琶湖湖盆、大阪湖盆(大阪堆積盆地)など、大きな堆積盆地が東西に並んでいます。湖盆と呼ぶのは、こうした盆地には、湖に堆積する砂や泥が確認できる一方、海底に堆積するような地層が見つからないからです。
近畿三角帯で東側の東海湖盆が最も古く、約600万年前(中新世末~鮮新世)に形成が始まり、古琵琶湖湖盆、大阪湖盆の順で形成されました。西側の大阪湖盆は大阪湾で沈降が始まり、京都・奈良まで広がっています。そこに河成や湖成の地層が堆積しました。
いずれも内陸の淡水湖でしたが、約130万年前頃に、四国から紀伊半島に続く一部分が途切れて紀伊水道や紀淡海峡が誕生。海水準の高い時代には大阪堆積盆地に海水が流れ込んで、海成堆積物と陸成堆積物が交互に堆積しました。大阪と京都の土地は、歴史上、何度も水没しているというわけなのです。しかし、同時に豊かな水が利用できる平坦地だからこそ、陸路と水路が併用でき、人や物資の運搬が容易となり、大阪や京都は発展したのです。
竹村 公太郎
元国土交通省河川局長・日本水フォーラム代表理事
※本記事は『眺めるだけで教養が高まる! 日本の地形見るだけノート』(宝島社)から抜粋・再編集したものです。
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