近年、メタバースの注目が集まり、耳にする機会が増え始めました。2021年10月末にFacebookが社名を「Meta」に変えたことでも注目を集めています。まだまだ、メタバースは発展段階ではありますが、Metaを筆頭に多くの企業がメタバース事業に力を入れ始めています。
そこでこの記事では、メタバースの概要をお伝えするとともに、メタバースの活用事例や活用するメリットなどを紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
1. メタバースとは何か?
メタバースを一言でいうと、「インターネットの進化形」です。メタバースでは、共有の仮想オンライン空間のなかでアバターを介して相手と交流したり、遊んだり、仕事したりできます。いわばオンライン上のもう一つの世界がメタバースです。ただ、実際のところ、メタバースの概念はまだ、漠然としています。
わかりやすいところでは、『MINECRAFT』や『あつまれ どうぶつの森』のようなゲームの世界もまたメタバースの一種です。
たとえば、電話やZoomのように用件が済んだらその空間がなくなるのではなく、共有の仮想空間はずっと存在し続けます。
1.1. メタバースの語源
メタバースの語源は「meta(超越)」と「universe(宇宙)」を合わせた造語で、「metaverse」と書きます。英語の意味の通り、現在を超越した別次元の世界を示しているのがメタバースです。
1990年代に発表されたニール・スティーヴンスンのSF小説『スノウ・クラッシュ』に、架空の仮想空間サービスが登場します。人間がアバターを介してネット空間でやり取りをする世界です。メタバースは、ここからきているとされています。
2. アニメで知るメタバースのわかりやすい事例
実は、アニメにメタバースの世界が表現されているのをご存知でしょうか。『ソードアート・オンライン(SAO)』と『サマーウォーズ』を例に紹介していきます。
2.1. ソードアート・オンライン(SAO)
『ソードアート・オンライン(SAO)』は、小説家の川原礫さんの代表作です。ライトノベル作品として登場し、その人気からアニメ・映画化までされました。長い作品のなかで、メタバースのような世界が多く登場します。
現実世界でVRを装着することで、体は現実世界にありながら意識だけが別世界に転送され、その世界で活動するといったストーリーです。さらに、クエストやミッションに挑む話があったり、戦闘においては現実を超えた技が出せたりなどバーチャルならではの演出もあります。
実際にメタバースが浸透するとこんな感じかもしれないという、リアルさを感じさせる描写となっています。
2.2. サマーウォーズ
『サマーウォーズ』は細田守監督の代表作として有名です。仮想現実空間「OZ」を世界中の10億人以上の人が使用しているという設定です。
ネット上の仮想空間であるOZは、インフラの整備や支払い、仕事などが行われる世界なので、人々はアバターを介して活動をしています。また、仮想空間上で現実世界の支払いが済むなど、より生活を快適にする世界として描かれています。
このような部分はメタバースと類似している点が多く、メタバースを感覚的に理解できる作品です。
3. メタバースはどのように活用できる
では、実際にメタバースはどのようなシーンに活用できるのか、4つの活用例を紹介します。どれも現在普及しているものばかりです。
3.1. バーチャル店舗
バーチャル店舗は、仮想空間で商品を確認できるお店です。現実世界のお店に行って営業時間や場所、商品を確認する必要はありません。仮想空間なら、いつでも好きなタイミングでバーチャル店舗を利用できます。
日本では、伊勢丹新宿店がスマートフォン向けの仮想都市空間プラットフォーム「REV WORLDS(レヴワールズ)」を展開。デパ地下やファッション、ギフトなどのショップが出店しており、時間を気にせずいつでもどこからでも仮想空間の伊勢丹新宿店を訪問し、実際にオンラインショップで商品を購入することができます。
日々仕事で忙しく買い物に出かけられない方や、育児中で外出しにくい方には嬉しいサービスといえるでしょう。
3.2. バーチャルオフィス
コロナ禍でオフラインによるリモートワークが普及していくなか、バーチャルオフィスが注目を浴びました。
社員がアバターとなって、仮想空間に集まります。そうすることで、アバターどうしで雑談したり、会議室に集まってオンラインミーティングをしたりできるようになりました。
また、三井住友海上では、2021年4月にメタバースを利用して入社式を実施しました。約220名の新入社員が全国各地の自宅から参加するというものです。新入社員がアバターになって、働く企業の雰囲気や入社する実感をリアルに感じられたそうです。
3.3. メタバースゲーム
前述のとおり、メタバースのゲームといえば、『MINECRAFT』や『あつまれ どうぶつの森』が有名です。
『MINECRAFT』はプレイヤーが仮想空間上に地形や建物を自由に構築し、プレイヤーどうしで探索やサバイバルを楽しめるゲームです。2011年にリリースされて以来、2021年4月時点で世界中で2億3800万本以上を売り上げています。
『あつまれ どうぶつの森』は、Nintendo Switchで人気のゲームです。何もない「無人島」からスタートし、家を建てたり、花を植えたり、虫や魚をとったりなど、何にも縛られることなく自由気ままに生活ができるのが魅力のゲームです。ユーザーどうしで交流しながら、自分だけの世界を作ることができます。
このように、ゲームの世界ではアバターを操作し、プレイヤーどうしで協力して街を作る、サバイバル生活を楽しむなど、現実ではできないような様々な体験をすることができます。
3.4. メタバースライブ
メタバースを利用して、音楽ライブ配信を行うこともできます。コロナ禍でなかなか人が集まる音楽イベントができないなか、仮想空間では密な空間も気にすることなく、自由に音楽を楽しめます。
NTTドコモが提供を始めたメタバース空間の「XRワールド」では、アバターを使ってコミュニケーションが楽しめます。音楽・アニメ・ダンスなどのエンタメコンテンツが日々配信されており、いつでも気軽にライブに参加ができます。
メタバース空間での音楽ライブには、密度も人の目も気にせずにいつでも参加ができるというメリットがあります。
4. メタバースのメリット
ここまで紹介してきたように、メタバースは様々なシーンで活用できます。では、メタバースを活用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、メタバースを利用するメリットについて紹介していきます。
4.1. 交流の幅が広がる
メタバースでは、ユーザーどうしで気軽に交流できるので、普段会う機会がない人や異業種の人とアバターを通じて話せるチャンスがあります。対面で会うわけではないので、いつでもどこからでも仮想空間上でコミュニケーションが取れます。
場所や距離などの物理的制限がなくなるので、様々な人と気楽に交流ができるのは大きなメリットです。
4.2. 日常と非日常が楽しめる
メタバースは、買い物や会話などの日常的なコミュニケーションができるだけではありません。仮想空間のゲームを通じて、銃撃戦やサバイバル生活などの非日常も楽しめます。
コロナ禍におけるステイホームのストレスを、メタバースで発散することも期待できます。
4.3. メタバースで現実世界の資産を増やせることも
メタバース内で得たアイテムは、売却することも可能です。「Decentraland」では仮想空間のなかの土地や、アバターが身につける衣類のアイテムなどを取引できます。
実は、アイテム自体は仮想通貨で取引されているのです。仮想通貨を利用してゲーム内のアイテムや土地を売買するため、現実世界の資産を増やせることもあります。
5. メタバースの世界が当たり前になる時代が来る可能性も
メタバースは、インターネットを介してアクセスできる仮想オンライン空間です。同時に多人数が参加してコミュニケーションもできます。バーチャル店舗やバーチャルオフィス、メタバースゲームにメタバースライブと、様々な活用が可能です。
メタバースは2021年から注目を集め始めましたが、今後はどうなるのでしょうか。
メタバースの利用のハードルとしては、操作性がポイントとなります。まずは、一般の人がメタバースを利用して便利だと思うようになれば、メタバースが生活の一部となる時代が来るのではないでしょうか。
メタバースの今後のサービス展開や、企業のメタバース事業への参入に注目です。
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