(※画像はイメージです/PIXTA)

2021年9月に発足したデジタル庁について解説します。デジタル庁発足の理由や具体的にはどのような施策をしているのか、デジタル庁が目指すものについてわかりやすくまとめています。

2021年9月、菅政権の政策として新たにデジタル庁が発足しました。ニュースなどで耳にする機会はありますが、デジタル庁がどのようなことをするか知らない方も多いでしょう。

 

デジタルを活用することで、きめ細やかなサービスが可能になれば、個々のニーズに合わせた多様な幸せを実現できる社会ができます。

 

そこでこの記事では、デジタル庁の発足背景や目的、施策などについて解説していきます。デジタル庁について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にして下さい。

目次
1. デジタル庁とは?
1.1. デジタル庁の発足
1.2. 発足の背景
1.3. 発足の目的
2. デジタル庁が目指す3つの柱
2.1. 国民向けのサービスのUI・UXを改善
2.2. デジタル社会の共通機能を整備・普及
2.3. 情報システムの統括・管理
3. デジタル庁の発足で便利で快適な行政サービスへ

1. デジタル庁とは?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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2021年9月にデジタル庁が発足しましたが、「デジタル庁」と聞いても何をするところなのか、何のために作られたのかわからないという方も多いでしょう。

 

ここでは、まずデジタル庁が発足した背景や発足の目的について詳しく解説していきます。

 

1.1. デジタル庁の発足

デジタル庁は、2021年9月に発足した新しい官庁です。世界の先進国がデジタル化を促進するなか、日本の世界電子政府ランキングは2020年で14位と後れを取っています。そのため、デジタル庁は昨今、加速するデジタル化を受け、施策の立案や総合調整を補う機関として設立されたのです。

 

2020年12月に「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」を策定し、2021年2月には「デジタル庁設置法案」を中心としたデジタル改革関連6法案が国会へ提出されて閣議決定されています。

 

このようにしてデジタルを活用し、より暮らしやすい環境を整えるため、デジタル庁は発足しました。

 

1.2. 発足の背景

新型コロナウイルスの影響で日本経済は大打撃を受けています。政府は、必要な世帯へ給付金を支給し、全国でワクチン接種を実施するなどさまざまな施策を打ちました。

 

しかし、新型コロナウイルスの政府の対応ではさまざまな問題が顕在化しました。

 

たとえば、国民1人あたり現金10万円の給付の施策では、電子申請手続きに関連してトラブルが続出しました。またワクチン接種予約での混乱など、デジタル化の遅れが大きな問題となりました。

 

特に先進国と比較すると、デジタル化への遅れが顕著になっています。そのため、ポストコロナの新しい社会を目指すためには、デジタル改革の推進が必要不可欠となったのです。

 

また、これまで日本の省庁や自治体の情報システムは、縦割り行政により相互のやり取りがスムーズにできない状態が続いていました。そこで、まずは行政手続きをデジタル化し、行政機関同士のやり取りをスムーズに行おうと動きはじめたことも、デジタル庁を発足させた背景の一つです。

 

1.3. 発足の目的

デジタル庁の発足は、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」を実現することが目的です。ポストコロナを見据え、デジタル庁では、デジタル化社会を形成するための施策を支援しています。

 

行政事務などを迅速に進めるため、マイナンバーカードの活用もその計画の一つとなっています。コロナ禍では、マイナンバーを活用できない点が問題視されていました。そこで、行政機関がスムーズに対応できるように、免許証や健康保険証のような証明書をマイナンバーで統合しようとしています。

 

さらに、デジタル庁は、官民問わず人材を配置する予定です。内閣総理大臣が主任大臣として中心になり、デジタル大臣には内閣総理大臣のサポートや庁全体を統括する役割が与えられています。そして、副大臣や大臣政務官に加え、CTO(最高技術責任者)やCDO(最高デザイン責任者)など、有能な人員を配置する点も大きな特徴です。

2. デジタル庁が目指す3つの柱

(※画像はイメージです/PIXTA)
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では次に、デジタル庁が目指す「3つの柱」について解説します。デジタル庁発足によって、私たちの生活にどのような変化があるのか、確認していきましょう。

 

2.1. 国民向けのサービスのUI・UXを改善

政府によるデジタルガバメントの実行計画が策定され、行政自体のあり方をデジタルにより改革していく施策が進められています。そのなかでも、UI(ユーザーインターフェイス)・UX(ユーザーエクスペリエンス)の改善は、国民の生活をより快適にする方法です。

 

国や地方の情報システムを改善し、社会の共通機能として整備します。根本的なUI・UX対策のためには、行政のデジタルサービスにおけるデザインや構成を統一化し、システムを改善することが必要です。

 

また、子育てや介護、引っ越しや相続などのライフイベントに関するさまざまな行政手続きを、オンライン上でワンストップで行える仕組みづくりを急いでいます。

 

行政サービスをオンラインで統一することにより、国民に優しいデジタル社会を実現することが可能です。

 

2.2. デジタル社会の共通機能を整備・普及

デジタル庁は、行政サービスを効率的かつ安全・安心に提供するための仕組みづくりを目指しています。

 

その施策の一つとして、マイナンバーカードの利用と活用を促し広めるよう働きかけています。マイナポイント政策等で普及率が高まっているのは確かです。しかし、より一層のマイナンバーの普及に力を入れるため、スマートフォンにマイナンバー機能を搭載する動きや、郵便局で電子証明書の暗証番号を設定可能にする計画もあります。

 

このように行政サービスを効率化し、安心して利用できれば、マイナンバーを活用する機会が増えるでしょう。

 

また、国が財源面でも支援して力を入れているのが、地方公共団体の業務システムの標準化や共通化を加速させることです。さらに、地域情報化アドバイザーを起用し、デジタル化に対応するための人材確保や育成を強化したい意向です。

 

2.3. 情報システムの統括・管理

デジタル庁は、国の情報システムの整備・管理を統一化することにより、効率的なシステムの運用を可能にして情報連携を行うことを目指しています。情報システムを国全体で統一し、管理することでシステム運用を効率化でき、国のシステムだけでなく、民間の情報システムとの連携も実施可能になります。

 

こうしてデジタル庁で情報システムの統括・管理を行うことにより、行政の業務がスムーズになり、サービスの質の向上やコスト削減も見込めます。

3. デジタル庁の発足で便利で快適な行政サービスへ

(※画像はイメージです/PIXTA)
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先進国と比較するとデジタル化が遅れている日本ですが、デジタル庁の発足により着実に制度が整えられています。内閣総理大臣を中心としたデジタル庁の施策により、国のシステムや行政機関のデジタル化が加速すると、行政手続きがすべてオンライン上でできるようになるのです。

 

オンライン化だけにとどまらず、国のシステムや行政機関の根本的な改革により、さまざまなサービスの向上が期待できます。今後もデジタル庁やデジタルガバメントの動きに注目し、社会の変化に対応できるようにしておくことが大切です。

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