今年の中国株は軟調推移
■中国株は今年に入り、上海総合指数が4月下旬に2020年5月以来の安値水準を付けるなど、軟調な展開となっています。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め加速観測を背景にリスク回避の動きが世界的に広がるなか、中国政府のゼロコロナ政策により上海市などの一部地域で都市封鎖(ロックダウン)が行われ、中国景気の先行きが懸念されているためとみられます。
党大会の年の中国株は概ね上昇
■今年は5年に一度の共産党大会が開かれる年です。1992年以降2021年まで過去30年の上海総合指数の年間騰落率をみると、年平均は+17%で、プラスは17回、マイナスは13回でした。このうち、党大会の行われた過去6回の年平均は+48%で、ITバブル崩壊後の2002年を除き、5回はプラスのリターンとなっています。過去の実績からは、積極的に景気刺激策が打ち出される党大会開催の年の勝率は高く、年後半に株価が切り返す可能性も否定できません。
ゼロコロナ政策の成否がカギ
■上海総合指数は5月に入り、中国当局の政策期待から小幅に反発しています。中国政府は3月に開かれた全人代で2022年の経済成長率目標を「5.5%前後」と、市場予想よりも高めの目標を掲げており、秋の党大会をにらみ政策を総動員して景気を浮揚させ、3期目入りをめざす習近平総書記の支持固めを行うと考えられます。このため年後半に景気は持ち直すと想定しています。ただし、党大会を前に、政策の失敗を容認できない習政権は、景気への悪影響が大きいゼロコロナ政策を堅持しています。習政権の威信を懸けたゼロコロナ政策の成否が中国株反転のカギを握りそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国株と共産党大会の関係…党大会の年の勝率は高い!今年のカギは?【専門家が解説】』を参照)。
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