(画像はイメージです/PIXTA)

LGBTQIAへの理解やジェンダー平等などが叫ばれる昨今、女子校・男子校が減少傾向にあります。入学条件に性別の項目があることは一見すると差別的であり、前時代的にも見えますが、別学の廃止は選択肢を狭めることに繋がり、かえって多様性を奪う結果になるともいえます。「別学は差別か!?」について文化人類学者の意見をもとに検証します。

問題は生徒に求める「同質化」

日本の学校の問題点は、多様性があまり認められていないことです。学校では古くから、制服、ランドセル、給食、掃除、部活など、衣・食・住のすべてをみんなが一緒にしてきました。

 

しかし、世界では制服も給食も無く服は自由という国も多いですし、子どもに掃除をさせる国は珍しく、学校は勉強を教わるところと限定している国もあります。日本ではみんなが同じルールのもとで衣・食・住を共にし、「同質化」されていくのですが、そのためにLGBTQIA 、ADHD、特異な才能のある子どもなどにとって、学校は個性が尊重されない、居心地の悪い場になってしまっています。

 

ジェンダーに関しても、誰もがランドセル、指定の靴で、しかも色が男女別だったり、委員長は男子、女子は副委員長といった男女別の「同質化」を進める、つまりミードのいう「文化によって作られる」ような場になっているとしたら改めなければいけません。

 

現在の教育制度の別学は、戦前のようにどちらかの性別の子どもに何かを教えないためではありませんから、性差別というより、むしろ教育機会に多様性を作り出しているという面があります。

 

ですからこれから進学する子どもたちには、共学にしろ別学にしろ、自分の適性に合い、自分の個性が尊重され、伸ばせる場と思える方を選んでほしいと思います。

 

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