(画像はイメージです/PIXTA)

AI(人工知能)が我々の未来を変えていくことに対する期待と不安が叫ばれて久しいですが、近年は社会のAI化がかつての推測ほど進んでいないという見方がされています。それには一体どのような背景があるのでしょうか。

日本の労働人口の約49%が、人工知能で代替可能に

オックスフォード大学が公表している、平成24年(2012年)の研究結果によると、日本の労働人口の約49%が、AI(人工知能)やロボットにより代替される可能性が高いと推計されています。

 

では、将来的にAIに代替されるであろう職業にはどのような特徴が見られるか今一度、確認していきましょう。

(1)豊富な知識と経験から、状況に応じて最適解を導く仕事

AIは「大量かつ正確なデータ処理」、「統計に則ったパターンの分析」を得意としています。公認会計士、株トレーダー、司法書士、薬剤師、総合事務員のような、豊富な知識と経験からシチュエーションに応じて、最適解を導く仕事はAIに代替される可能性が高いです。

 

これらはいずれの職業も、我々人間が一人前のプロフェッショナルを目指すとなると一朝一夕とはいかず、難関の国家資格が必要な士業も含まれています。

 

例えば、司法書士試験合格に必要な勉強時間は一般的に約3,000時間程度といわれており、故に、支払われる賃金も全人口の平均年収を大きく上回る場合が多数です。

 

海外では、すでに株トレーダーの業務の多くがAIに置き換えられています。例えば、アメリカを代表するゴールドマン・サックス証券会社では、2000年時点で600人在籍していた株トレーダーが、2017年1月にはわずか2人に減少しています。

 

200人のエンジニアが運用するロボットトレーダーが、人間の株トレーダー600人分の労力を担っており、単純計算で年間約2.5億ドルの人件費削減に成功しています。

 

このように、知識と過去データを組み合わせる職業は、把握している情報の数が膨大であればあるほど精度が上がるため、AIが有利になります。

(2)同じルーティーンを繰り返す、定型業務

一方で、日々同じルーティーンを繰り返す、定型業務もAIの得意分野です。例えば、経理・庶務・一般事務員、清掃従事者、食料品製造従事者、電気機械器具組立従事者、廃棄物処理従事者、自動車・鉄道運転従事者などです。

 

身体労力的な定型、デスクワーク的な定型、いずれも精緻に型を把握して繰り返すことができます。そのため製造業の現場である工場、サービス業の現場であるビルや鉄道、事務処理を行うオフィスなど、あらゆる労働の現場をAIが担うことができます。

次ページ予想ほどAIが普及しないワケ

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