※画像はイメージです/PIXTA

相続人が重大な事件(重大な非行)を起こした場合、たとえ相続人であっても遺産を相続することはできません(=相続欠落)。どのような場合、相続欠格となるのか。その留意点とともに、みていきましょう。

相続欠格になった人の子供は代襲相続できる

相続欠格事由に該当した相続人の相続分は、その人に子供(孫や甥姪)がいれば、その子供(孫や甥姪)が代襲相続します。代襲相続とは、相続人が死亡・相続欠格・相続廃除などに該当する場合、その相続人の子供が代わりに相続することを指します(民法第887条)。代襲相続人は相続人と同じ相続権を持つため、当然ながら遺留分も認められます。

 

 

代襲相続においては、相続欠格者である相続人が子供であれば、「孫」「ひ孫」と何代先でも再代襲相続が発生します。しかし相続人が兄弟姉妹の場合、代襲相続できるのは甥姪までとなり、遺言書による遺贈において代襲相続は発生しません。

 

なお、相続欠格事由に該当した相続人に、子供(孫や甥姪)がいない場合は、その相続分は他の相続人に分配されます。

相続手続きでは相続欠格を証明する必要あり

相続欠格事由に該当すればただちに相続権を失いますが、何らかの確認方法があるわけではなく、戸籍に記載されることもありません。したがって相続手続きでは、「相続欠格によって相続人が欠けている」ことを証明する必要があります。

 

例えば、相続登記においては、相続欠格者が自ら作成する「相続欠格事由に該当することの証明書」と印鑑証明の提出が必要です。相続欠格に当てはまることを証明するために、確定判決の謄本を添付することもあります。

 

相続欠格事由に該当することの証明書の作成方法

「相続欠格事由に該当することの証明書」が必要な場合は、以下のひな型を参考にしてください。

 

相続欠格証明書
私、相続次郎は、被相続人相続太郎(令和〇年〇月〇日死亡)の相続に関し、民法891条第〇号に規定する欠格者に該当する。
以上のとおり相違ないことを証明します。
令和〇年〇月〇日
東京都〇〇区〇〇1丁目23番
相続次郎 (実印)

 

上記のひな型で「民法891条第〇号」の号数は、以下の行為ごとに対応する号数を記入します。

 

第1号:故意に被相続人および先順位または同順位の相続人を殺害した、または殺害しようとして刑に処せられた
第2号:被相続人が殺害されたことを知りながら告発、告訴をしなかった
第3号:被相続人を騙したり脅したりして、遺言書の作成、撤回、取消、変更を妨げた
第4号:被相続人を騙したり脅したりして、遺言書の作成、撤回、取消、変更をさせた
第5号:遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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