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将来もらえる年金額はいくら?
「老後がどうなるのか、不安だからできるだけ考えないようにしてきたんですけど、50代になると、そうも言っていられなくなってきました。といっても、何から手をつければいいか…。」
森永先生「公的年金の給付額は、将来、大幅に下がると思うけど、それは後で話をするとして、まずは、ねんきん定期便で自分の年金額を確認するといいよ【⇒「ねんきん定期便」で自分の年金額をチェック】。」
「そういえば、持ち主不明の年金記録が大量に発覚して、社会問題になったことがありましたね。最近は聞かなくなったので、解決したんだと思いますけど。」
森永先生「2021年10月にも日本年金機構が別人の年金支払額などを記載した年金振込通知書を約97万人に誤送付したという不祥事があったから、自分の年金記録に間違いがないか、もう一度、確認しておいたほうがいいな。」
「さっそく確認します。」
森永先生「その上で知っておいたほうがいいのは、将来の年金額はガクッと下がる可能性があることなんだ。」
「僕らの子ども世代はもっと厳しいってことですか。」
森永先生「その通り。厚生労働省の試算によると、現在の厚生年金のモデル年金額は月額22万円だけど、約30年後には月額12万9000円になる可能性が高い(図表1)。」
「半分に近いじゃないですか。」
森永先生「いまの30代は、それを前提に老後設計をする必要があるってことだね。」
■高齢化の進展で「年金受給者」「給付額」ともに増加
少子高齢化が進んでいるといわれていますが、実際に年金を受給している人の数は、どうなっているのでしょうか。2019年度時点の老齢給付の受給者は3691万人です。2015年度は3611万人でしたから、4年間で老齢年金受給者は80万人増えていることになります。受給者の増加とともに、障害年金や遺族給付、福祉年金を含む年金給付の総額も2015年度の約54兆5500億円から2019年度の約55兆6262億円に増加しています。