(※写真はイメージです/PIXTA)

経済について知っておくべきことの一つは、「自発的な取引は買い手と売り手の双方にとって利益になる」ということです。アメリカの経済学教師デーヴィッド・A・メイヤー氏の著書『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』(SBクリエイティブ)より、「自由貿易」を中心に、取引の基本を見ていきましょう。

他国との取引を禁止する「禁輸」

■「その措置で誰が得をするのか?」を考えてみよう

禁輸とは、外国との貿易を禁止することだ。禁輸はたいていの場合、対象の国を何らかの理由で罰するために行われる。わかりやすい事例を挙げよう。「キューバ危機」をきっかけとした、アメリカからキューバへの禁輸措置だ。

 

 

1950年代後半のキューバ革命で共産主義政権が樹立され、さらに1962年にキューバにソ連の核ミサイル基地が建設されたことに端を発するキューバ危機が発生すると、アメリカはキューバとの貿易をすべて禁止する禁輸措置を発動した。すべて遠い昔の出来事のように感じるかもしれないが、アメリカ政府は現在も禁輸措置を続けている(※2)

 

ここでもまた、禁輸措置が行われる理由を理解するには、その措置で得をするのは誰かということを考える必要がある。

 

※2 オバマ政権によって一部緩和されたが、トランプ政権で再び規制が強化された。

 

 

デーヴィッド・A・メイヤー

ウィンストン・チャーチル高校 AP経済学教師

 

桜田 直美

翻訳家

 

 

※本連載は、デーヴィッド・A・メイヤー氏の著書『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』(SBクリエイティブ)より一部を抜粋・再編集したものです。

アメリカの高校生が学んでいる経済の教室

アメリカの高校生が学んでいる経済の教室

デーヴィッド・A・メイヤー 著
桜田直美 訳

SBクリエイティブ

金融教育の先進国・アメリカでは、高校生のからお金の流れと世の中の仕組みについて学校で勉強する。 アメリカの高校生が学んでいる、「日本の学校では教えてくれない」一生ものの経済のきほんの授業を一冊に凝縮!

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