RBAは金融政策を維持
<豪州経済は引き続き底堅い>
■5日、豪州準備銀行(RBA)は金融政策決定会合で、政策金利の翌日物金利の目標を0.1%で維持しました。
■声明文では、豪州経済は引き続き底堅く、消費は新型コロナウイルスのオミクロン型の影響による落ち込みから回復しつつあるとしています。金融情勢は引き続き極めて緩和的で、足元の商品価格の上昇が国民所得を押し上げているとしながらも、物価の上昇が家計を圧迫しているほか、洪水が多くの地域を苦しめていると指摘しました。
良好な雇用環境が続く
<物価も上昇が続く見込み>
■豪州では良好な雇用環境が続いています。最新2月の雇用統計では、失業率は4.0%と市場予想以上に改善し、歴史的な低水準となっています。RBAの予測では、失業率は今年中に4%未満に低下し、来年も4%未満を維持すると見込まれています。
■RBAは物価について、多くの他の国と比べて低水準であるものの、ガソリンなどの商品価格の上昇によって、今後数四半期にわたって、さらに上昇すると見ています。
豪ドル高基調は続く見込み
■5日の会合後、豪ドルの対円レートは豪ドル高・円安で反応し、一時94円超となりました。RBAは金融政策を据え置きましたが、声明文では雇用の改善と物価の上昇を指摘し、前回の会合までは金融引き締めに「忍耐強く」取り組むとしていた文言が削除されました。このため、市場ではRBAがよりタカ派化し、利上げが従来の予測よりも前倒しになるとの観測が強まり、豪ドル高となりました。
■ウクライナ情勢は未だ不透明感が強いものの、資源価格は今後も高止まりするとの見方が多く、豪ドルには追い風です。一方で、資源価格の上昇は日本にとっては経常赤字に影響し、米国の利上げによる日米金利差の拡大から円安基調が見込まれます。豪州も利上げに舵を切れば、豪日の金利差も拡大するため、今後も豪ドル高・円安基調は続くと見込まれます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『好調な「豪ドル円」相場…今後の展開は?【専門家が解説】』を参照)。
(2022年4月6日)
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