(※画像はイメージです/PIXTA)

怒涛の米ドル高/円安が進んだ3月。2月まではおおむね114円〜116円の狭いレンジで推移していた米ドル/円が、突如円安に振れた要因とは……また、4月の米ドル/円はどのような推移をみせるのでしょうか、FX開始直後から第一線で活動している、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が考察します。

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    3月に米ドル高/円安が「急激」に進んだ要因

    米ドル/円の90日MA(移動平均線)かい離率は、一時プラス7%以上に拡大しました(図表3参照)。これは、短期的な米ドル「上がり過ぎ」懸念が強くなってきた可能性を示しています。その意味では、短期的な「上がり過ぎ」の修正で米ドルが下落に向かう可能性はあるでしょう。

    出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
    [図表3]米ドル/円の90日MAかい離率(2000年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

     

    ちなみに、米ドル/円が下落する場合、これまでは

     

    1.株安に連れる

    2.米金利低下などに伴う日米金利差米ドル優位縮小

     

    といった、主に2つのケースが基本でした。

     

    ただ2月後半から、主にウクライナ危機拡大を受けて株安が拡大した局面では、米ドル/円の下落は限られるところとなりました(図表4参照)。

     

    そもそもこの「株安でも円高にならない」ことを確認したことが、3月に円安が急拡大に向かった一因だったのではないかと、私は考えています。

    出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
    [図表4]米ドル/円とNYダウ(2021年10月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

     

    それはともかく、株安でも大きく円高に向かわない状況がこの先も続くようであれば、米ドル安・円高リスクを左右するのは米金利低下などにより日米金利差米ドル優位縮小が主な手掛かりになるでしょう。

     

    このうち米金利については、かなり短期的な「上がり過ぎ」懸念の強い状況が続いています。

     

    たとえば、米10年債利回りの90日MAかい離率は、一時プラス40%まで拡大しました(図表5参照)。

     

    同かい離率がこんなふうにプラス40%程度まで拡大したのは、2010年以降でも3~4回しかありませんでした。その意味では、米金利はかなり短期的な「上がり過ぎ」懸念が強く、その修正で金利低下に向かう可能性はあるでしょう。

    出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
    [図表5]米10年債利回りの90日MAかい離率(2010年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

     

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