必要書類も作業も多い…「自動車の相続手続き」注意すべきポイント【弁護士が解説】 (写真はイメージです/PIXTA)

自動車の相続手続きは、不動産や預貯金などとは異なり、車庫証明の取得や運輸局での手続きが必要となります。本記事では、Authense法律事務所の堅田 勇気弁護士が、自動車の相続について詳しく解説していきます。

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相続財産に「自動車」がある場合の名義変更手続き

まずは、被相続人の自動車について、車検証(自動車検査証)の所有者の欄を確認しましょう。

 

車検証は、車に備え付けていないと罰則がございますので、通常車内に備え付けられています。そのため、まずは、車両の車内を確認して、車検証を見つけましょう。そして、見つかった車検証の所有者欄を確認し、「被相続人」名義となっているか確認しましょう。

 

自動車購入時にローンを組み、そのローンの支払いが残っている場合などは、所有者の名義が、クレジット会社やディーラー、販売店などとなっている場合もあります。そのような場合は、名義人に連絡をして、相続手続き(名義変更)について確認するようにしましょう。

「誰が相続するか」を決める必要がある

自動車の所有者が、被相続人であることが確認できたら、誰が自動車を相続するかを決めましょう。

 

遺言書があり、遺言書にて自動車の承継者が記載されている場合は、当該遺言書を用いて、名義変更の手続きをすることとなります。

 

遺言書が無い場合は、相続人で協議をして、誰が自動車を承継するかを決定し、遺産分割協議書を作成しましょう。

 

遺産分割協議書の作成ができたら、当該協議書を用いて名義変更の手続きをすることとなります。

 

なお、自動車の価格が100万円以下の場合は、「遺産分割協議成立申込書」という、相続する人の実印だけで手続きが可能な書面を用いて名義変更をすることも可能です。

 

ただし、当該申込書を使用する場合でも、他の相続人の同意は得ておくようにしましょう。

相続する人が、警察署で「車庫証明」を取得する

被相続人が所有していた自動車を誰が相続するか決まったら、相続する人が警察署にて車庫証明を取得する必要があります。

 

車庫証明(自動車保管場所証明書)とは、車の保管場所が確保されていることを警察署長が証明するもので、車両購入時や所有者の変更・保管場所の変更をする場合に、車庫証明の申請が必要となります。

 

自動車を相続する人は、当該自動車の保管場所を管轄する警察署の窓口にて、車庫証明の申請を行いましょう。

 

(新型コロナウィルス感染症の感染防止のための緊急事態宣言が発令されている地域では、郵送にて手続きを行うことが可能なところもあります。詳しくは、各警察署のHPをご確認ください。)

 

申請に必要な書類は、主に、以下のとおりです(各警察署のHPからダウンロード可能)。

 

・自動車保管場所証明申請書
・保管場所標章交付申請書
・土地使用に関する権利関係を証する書面(保管場所使用権原疎明書面又は保管場所使用承諾証明書)
・所在図・配置図

 

手数料は、都道府県によって異なりますが、2,100円前後となります。また、申請から車庫証明の発行までには、3日~1週間程度時間がかかります。車庫証明の発行がされたら、500円前後の手数料を支払い、標章を受け取って、車の後窓に貼付しましょう。
 

車庫証明の申請手続きは、行政書士や自動車販売店に代行してもらうことも可能です。書類の収集や記載方法が分からない場合や申請手続きをとる時間が無い場合は、専門家に手続きを依頼することも検討すると良いでしょう。

運輸局で「名義変更の手続き」…必要な書類は?

車庫証明が発行されたら、運輸局にて、名義変更の手続きをとりましょう。主な必要書類は、以下のとおりです。

 

①戸籍謄本(全部事項証明書)又は法定相続情報証明書
※自動車の所有者の死亡が確認できるもので、死亡した所有者と相続人全員の関係がすべて確認できるもの
②車検証
③車庫証明(証明の日から1ヵ月以内)
④申請書・手数料納付書(※運輸局HPからダウンロード又は窓口にて取得)
⑤自動車を承継する相続人の印鑑登録証明書・実印(発行日から3ヵ月以内)

・自動車を承継する相続人が分かる書類(次のうち、いずれかのもの)
・相続人全員の実印の押印がある遺産分割協議書
・遺言書(自筆証書遺言の場合は検認済みのもの)
・遺産分割に関する調停調書
・遺産分割に関する審判書(確定証明書付き)
・判決謄本(確定証明書付き)

 

※管轄が変更になる又はナンバー変更希望の場合は、当該自動車で運輸支局に行きナンバープレートを外すことになります。

※自動車の価格が100万円以下の場合は、査定書と遺産分割協議成立申込書にて、⑥に代えることが可能です。

 

運輸局での名義変更に必要な書類は大変複雑ですので、分からないことがあれば、運輸局の窓口に問い合わせるか、名義変更手続きを行政書士などの専門家に依頼するようにしましょう。

 

自動車を承継する人が、継続して自動車を使用する場合は、保険契約の名義変更や加入手続きが必要となりますので、こちらも忘れずに行うようにしましょう。

「軽自動車の相続手続き」のポイントは?

相続財産のなかの「自動車」が軽自動車の場合は、遺産分割協議書や相続人全員の印鑑登録証明書などは、不要となります。

 

なお、軽自動車の場合、名義変更を行う場所は、運輸局ではなく、軽自動車検査協会となりますので、間違えないように注意してください。

 

軽自動車の場合の名義変更の主な必要書類は、以下のとおりです。

 

①車検証
②所有者の死亡と死亡した所有者と承継者の関係が分かる戸籍謄本・全部事項証明書又は法定相続情報証明書
③軽自動車を承継する相続人の住民票の写し又は印鑑登録証明書(発行後3ヵ月以内)
④申請依頼書(※代理の人が手続きを行う場合に必要)
⑤軽自動車税申告書
⑥車検査証記入申請書

 

④~⑥は、軽自動車検査協会の窓口、国土交通省のHPからのダウンロードにて入手が可能です。他にも書類が必要となる場合がございますので、ご自身で手続きを取られる際は、必ず事前に軽自動車検査協会に必要書類の確認をするようにしましょう。

 

必要書類が揃ったら、認印を持参の上、軽自動車検査協会にて手続きを行いましょう。

 

自動車の名義変更手続きに比べて簡易的といえども、軽自動車の名義変更手続きも複雑ですので、なかなか時間がとれないという場合は、行政書士などの専門家に依頼すると良いでしょう。

 

 

Authense法律事務所

堅田 勇気

 

 

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Authense法律事務所 弁護士

第二東京弁護士会所属。東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科修了。
遺産分割協議や遺留分侵害額請求、遺言無効確認など、相続に関わる様々な紛争案件の解決実績を持ち、遺言作成などの生前対策や事業承継、信託にも精力的に取り組む。
相続のみならず、離婚問題などの家事事件にも注力。また、建築紛争やスポーツ法務といった新たな分野にも意欲を持つ。
依頼者の意思を尊重しながらも客観的に物事を捉え、様々な選択肢を提示したうえで、納得できる解決に向けて尽力することを信条としている。

Authense法律事務所(https://www.authense.jp/)
Authense遺言・遺産相続(https://www.authense.jp/souzoku/)

著者紹介

連載Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説!もめない相続を実現する方法

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