※写真はイメージです/PIXTA

これからの時代、企業が永続的に発展していくためには「資産形成」が重要です。企業の資産形成方法として、株式投資であれば「個別銘柄への一括投資」が一般的でしょう。しかし税理士の三反田純一郎氏は「企業で行う株式の一括投資はお勧めしない」と明言します。中小企業が安全かつ着実に資産を殖やしていくには、どうすれば良いのでしょうか?

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株式の「一括投資」は一切お勧めしない

企業の株式投資の方法として一般的な方法は個別銘柄に対する一括投資ですが、企業で行う株式の一括投資はお勧めしません。

 

株式の一括投資することの企業側のデメリットを挙げます。

 

●購入後すぐに相場が下がってしまうと企業財務を痛める。

●個別銘柄の選定に手間を取る、購入後も価格の騰落が気になる(経営者のストレス)。

 

株式投資は確かに大きなリターンを狙える投資形態です。しかし、中小企業は株式投資で大きなリターンを狙うというスタイルよりも、本業で蓄えた金融資産をストック収入を生む金融資産へと長期間にわたって徐々に形を変えるというスタイルが合っていると思います。いわゆる時間を味方につけるといわれる投資スタイルです。

 

なお、個別銘柄の選定に要する手間と購入後の価格の騰落に一喜一憂するようでは、お金に働かせているとは言えず本末転倒になります。

 

したがってリスクの大きさと経営者の手間や価格の騰落によるストレスの観点から、私の会社では株式の一括投資は一切勧めません。

株式、投資信託への「“積立”投資」はやるべき

それでは中小企業が株式投資をするにはどうすればよいのでしょうか? まず銘柄を選ぶ手間と価格の騰落リスクを極力減らしたいので、株式をエリアやテーマや資産種別で集めた投資信託をお勧めします。

 

投資信託とは、投資家から集めたお金を投資の専門家であるファンドマネージャーが株式や債券などで運用し、そこから得られた利益を投資家に分配する金融商品です(図表1~3)。投資信託は商品自体が分散されていますので、ポートフォリオの発想である投資対象を分散するのにそもそも適した商品です。

 

出所:三反田純一郎著『会社の資産形成 成功の法則』(中央経済社)より
[図表1]投資信託の仕組み① 出所:三反田純一郎著『会社の資産形成 成功の法則』(中央経済社)より

 

出所:三反田純一郎著『会社の資産形成 成功の法則』(中央経済社)より
[図表2]投資信託の仕組み② 出所:三反田純一郎著『会社の資産形成 成功の法則』(中央経済社)より

 

出所:三反田純一郎著『会社の資産形成 成功の法則』(中央経済社)より
[図表3]投資信託の仕組み③ 出所:三反田純一郎著『会社の資産形成 成功の法則』(中央経済社)より

 

投資手法も一括投資ではなく、積立投資を勧めます。積立投資はドルコスト平均法という考え方を活用した長期的なリスクを大きく低減できる投資方法です。

次ページ「長期積立て投資」は特に“中小企業向き”

※本連載は、三反田純一郎氏の著書『会社の資産形成 成功の法則』(中央経済社)から一部を抜粋し、再編集したものです。

会社の資産形成 成功の法則―「見えない」資産を築く最強の戦略

会社の資産形成 成功の法則―「見えない」資産を築く最強の戦略

三反田 純一郎

中央経済社

どのような資産を、どのような理由で、どれくらい所有するか? 資産形成の優劣が会社の生死を決める。 保険は投資対象から外す、少額でも投資信託の積立投資は行う、銀行の経営者保証の解除は何としても勝ち取る etc。会…

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