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株式の「一括投資」は一切お勧めしない
企業の株式投資の方法として一般的な方法は個別銘柄に対する一括投資ですが、企業で行う株式の一括投資はお勧めしません。
株式の一括投資することの企業側のデメリットを挙げます。
●購入後すぐに相場が下がってしまうと企業財務を痛める。
●個別銘柄の選定に手間を取る、購入後も価格の騰落が気になる(経営者のストレス)。
株式投資は確かに大きなリターンを狙える投資形態です。しかし、中小企業は株式投資で大きなリターンを狙うというスタイルよりも、本業で蓄えた金融資産をストック収入を生む金融資産へと長期間にわたって徐々に形を変えるというスタイルが合っていると思います。いわゆる時間を味方につけるといわれる投資スタイルです。
なお、個別銘柄の選定に要する手間と購入後の価格の騰落に一喜一憂するようでは、お金に働かせているとは言えず本末転倒になります。
したがってリスクの大きさと経営者の手間や価格の騰落によるストレスの観点から、私の会社では株式の一括投資は一切勧めません。
株式、投資信託への「“積立”投資」はやるべき
それでは中小企業が株式投資をするにはどうすればよいのでしょうか? まず銘柄を選ぶ手間と価格の騰落リスクを極力減らしたいので、株式をエリアやテーマや資産種別で集めた投資信託をお勧めします。
投資信託とは、投資家から集めたお金を投資の専門家であるファンドマネージャーが株式や債券などで運用し、そこから得られた利益を投資家に分配する金融商品です(図表1~3)。投資信託は商品自体が分散されていますので、ポートフォリオの発想である投資対象を分散するのにそもそも適した商品です。
投資手法も一括投資ではなく、積立投資を勧めます。積立投資はドルコスト平均法という考え方を活用した長期的なリスクを大きく低減できる投資方法です。