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10~12月期GDPの評価と先行きのポイント
今回発表された10~12月期の成長率は同+3.6%と再びプラスの伸びに回復した。この成長率上昇は感染状況の改善に伴う経済活動の再開が進んだ影響が大きい。マレーシアでは昨年デルタ株の流行により感染第3波が到来すると、8月中旬には感染者数が1日2万人台に達した(図表3)。
政府は6月に全国規模の都市封鎖を実施して生活に不可欠な業種以外の社会・経済活動を禁止したほか、7~8月にかけて新型コロナウイルスワクチンが急速に普及すると(直近の完全接種率は人口の8割弱)、9月に感染改善に転じて10~12月期の新規感染者数の期中平均は5,000人台で比較的落ち着いて推移した。
政府は9月上旬にクアラルンプール首都圏を「国家回復計画」の第2期(全4段階)に移行するなど段階的に活動制限を緩和したため、10~12月期の小売・娯楽施設への人流はコロナ前と比べて約2割減(7-9月期は約5割減)と改善した(図表4)。
こうして10~12月期は経済活動が回復することとなり、民間消費は前年同期比+3.5%(前期:同▲4.2%)とプラスに転じた。総固定資本形成は同▲3.3%(前期:同▲10.8%)と減少したものの、マイナス幅が縮小した。また世界的な経済活動の再開や原油・ガスなどの資源価格の高騰、半導体需要の堅調な拡大が財輸出(同+13.1%)の追い風となり、成長率を押し上げた。
2022年は先進国で経済活動が再開され外需の改善が続くとみられ、引き続き輸出の拡大が経済の牽引役となりそうだ。足元では新型コロナのオミクロン株の感染拡大が生じている。政府は厳しい規制を再導入しない方針を示しているが、感染再拡大を受けて活動制限緩和の動きを一時中断しており、内需は伸び悩む恐れがある。もっとも、政府は新型コロナウイルスワクチンの成人向けの追加接種や5歳以上の子どもへの接種を推進しているため、オミクロン株の感染拡大が経済活動に与える影響は限定的に止まるだろう。
斉藤 誠
ニッセイ基礎研究所
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