来るか本格バリュー株相場 (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

足元堅調な日米バリュー株

■世界の株式市場は不安定な動きを続けていますが、そんな中にあって、日米のバリュー株は堅調に推移しています。2010年代は長らくグロース株優位の相場が続きましたが、バリュー株の相対パフォーマンスは一昨年の秋に大底を入れ、最近では日米ともにバリュー株の優位が目立つようになってきました。

 

■こうしたバリュー株の堅調さの背景には、世界経済の回復を背景とした景気敏感株の復調、資源価格の高騰による関連業種の上昇、そして金利上昇による金融セクターの反転などがあげられます。

 

金利上昇で動意づくバリュー株

■金利上昇でバリュー株が動意づく背景には、大きく二つの理由があります。まず一つ目が、業績の上振れ期待です。金利上昇局面は経済が回復し、資源価格も上昇することが多いため、バリュー株の業績予想も引き上げられる傾向があります。

 

■二つ目は、理論株価への影響です。株価を推計する手法の一つに「ディスカウントキャッシュフロー法(DCF法)」があります。このDCF法を簡単に説明すると、「将来の利益を今の価値に割り引いて合算したものが企業価値になる」という考え方です。

 

■一般に、バリュー株は近い将来の利益の比重が高く、グロース株は遠い将来の利益の比重が高くなりますので、バリュー株はDCF法で使われる「割引率」の影響が小さい一方、グロース株は影響を受けやすいとされています。このため、金利上昇はグロース株にとって、悪材料と捉えられる傾向があります。

 

■ちなみに、過去20年ほどの米国株式市場の動向を見ると、バリュー株とグロース株の優劣は、おおむね長期金利の動きに沿う形で推移しています。

 

バリュー株への追い風続く、ただし米国グロース株のダイナミズムには引き続き注目

■弊社では、来年の半ばまで米国の利上げ局面が続くものと予想しています。このため、金融環境としてはバリュー株への追い風が、当面は続くものと予想しています。

 

■とはいえ、「投資先企業の将来性を買う」という株式投資の基本に立ち返れば、米国グロース株は今後も長期的なポートフォリオ運用の中核をなす資産の一つといって差し支えないでしょう。

 

■ちなみに、直近の利上げ局面(2015年12月16日から2018年12月19日)では、米国グロース株は約30%上昇しており、米国バリュー株を約10%アウトパフォームしています。

 

 

 

■利上げ局面にもかかわらず米国グロース株が堅調に推移した背景には、前回の利上げが比較的小幅でそのペースも緩やかであったことも一因と言えそうです。しかし、米国グロース株の上昇にとってより重要であったのは、力強く事業を拡大し、高水準の株主資本利益率(ROE)を更に向上させた、高い収益性や盤石なビジネスモデルを背景にした力強い業績の伸びに他ならないでしょう。

 

■バリュー株への追い風はしばらく続きそうですが、米国グロース株がもつ成長性や収益力の高さにも、引き続き注目していく必要がありそうです。

 

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『来るか本格バリュー株相場』を参照)。

 

(2022年2月18日)

 

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連載【デイリー】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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