拠出率の引き上げ&人口増大…さらなるサポート力に?
オーストラリアには、「スーパーアニュエーション(以下、スーパー)」という強制加⼊型の私的年⾦制度があります。「スーパー」では、雇⽤主(企業等)は従業員(加⼊者)の給与の10%(2021年8⽉末現在)にあたる掛⾦を基⾦へ拠出します。そして、従業員⾃⾝が選択した投資信託などの⾦融商品で運⽤を⾏います。
2021年6⽉末の「スーパー」の資産規模は3.3兆豪ドルと、オーストラリアのGDP(国内総⽣産)を⼤きく超える⽔準まで拡⼤しています。資産構成(2020年6⽉末時点)は、国内外の株式や債券、不動産などに分散していますが、なかでもオーストラリア株式の割合が高くなっており、「スーパー」による継続的な資⾦流⼊が、オーストラリアの株式市場を安定的に⽀える要因になっていると考えられます。
今後、基⾦への拠出率が現在の10%から12%まで段階的に引き上げられる予定であることに加え、オーストラリアの労働⼈⼝も増加を続ける⾒込みです。これらが、スーパーの更なる残⾼拡⼤に寄与し、オーストラリア株式市場の更なるサポート要因になる可能性があると考えられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『オーストラリア株式市場を底支えする、強制加入型私的年金制度「スーパーアニュエーション」…その効果と可能性』を参照)。
(2021年9月13日)
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