(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

政策金利を6%に引き上げ

■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は2月10日に金融政策決定会合を開き、政策金利を5.5%から6%に引き上げました。中銀による利上げ幅は前回に続き0.5%となり、高水準のインフレやタカ派に転換した米国の金融政策への警戒感が色濃く表れた格好です。

 

(注)政策金利は2019年1月1日~2022年2月11日。消費者物価は前年同月比、2019年1月~2022年1月。 (出所)FactSet、メキシコ中央銀行のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
政策金利と消費者物価 (注)政策金利は2019年1月1日~2022年2月11日。消費者物価は前年同月比、2019年1月~2022年1月。
(出所)FactSet、メキシコ中央銀行のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

高水準のインフレが長期化

■1月のメキシコの消費者物価指数は、前年同月比で7.07%上昇しました。また、変動の大きいエネルギーや食品を除いたコア指数も同6.21%の上昇となり、インフレ高騰が長期化しています。

 

■高水準のインフレや米国での金融政策のタカ派転換から、中銀は市場の安定を維持するため、先手先手での利上げを継続するものと思われます。このためメキシコの政策金利は、今年の年末までには7%まで上昇するものと予想しています。

 

(注1)データは2019年1月1日~2022年2月11日。 (注2)メキシコペソ/米ドルは逆目盛。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
メキシコペソ (注1)データは2019年1月1日~2022年2月11日。
(注2)メキシコペソ/米ドルは逆目盛。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

新中銀総裁の政策運営に注意

■新型コロナのオミクロン型の感染拡大等により足元で経済は減速していますが、好調な米国経済や雇用環境の改善に支えられ、今後は緩やかに改善に向かうものと思われます。

 

■また、昨今の原油価格の上昇も、資源国通貨であるメキシコペソにとって追い風となりそうです。弊社では、通貨ペソは1米ドル=20ペソを中心に、レンジ内でのしっかりとした値動きが続くものと予想しています。

 

■ただし、中銀総裁に就任したビクトリア・ロドリゲス氏の政策運営には注意が必要です。今回の会合は無難に乗り切りましたが、就任の経緯や中銀総裁としての経験・実績不足への懸念は根強いことから、今後の政策運営いかんでは市場の疑心暗鬼を生みかねず、その動向には注意が必要です。


 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『メキシコ中銀が前回会合に続き0.5%の利上げ』を参照)。

 

(2022年2月14日)

 

関連マーケットレポート

2022年1月6日 メキシコ金融市場 2021年の回顧と2022年の展望

2021年12月20日 メキシコ中銀が予想を上回る0.5%の利上げ

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