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名門ホテルが外資の手に
西武ホールディングスは、新型コロナウイルス感染症拡大によって、鉄道やホテル利用が低迷し、資金繰りが悪化。資産の売却を進め、経営効率を高める動きが進んでいます。
今回の報道では、「ザ・プリンスパークタワー東京」や「札幌プリンスホテル」のほか、スキー場やゴルフ場など約30施設を、シンガポール政府投資公社(GIC)に売却する方向で調整を進めているといいます。売却後も運営についてはそのまま西武グループが行い、「プリンス」というブランド名は維持されるといいます。
プリンスホテルは、現在全国で49のホテルを展開する、いわずとしれた国内ホテルの名門。その源流は、箱根・軽井沢の開発に深く関わった箱根土地(後のコクド)です。1980年代から、大規模なスキーリゾートやシティホテルを全国で展開するようになり、さらに米国やカナダ、東南アジア、オーストラリアなどの海外リゾートも買収・提携を進め、日本一のホテル・レジャー企業へと成長していきました。
バブル崩壊後、不採算施設の営業終了、運営権売却が進みましたが、いまなおホテル業界の最大手の一角を成しています。
【ホテル業界「売上高」ランキング(2020年度)】
1位「リゾートトラスト」1,675億円
2位「ルートインジャパン」936億円
3位「西武ホールディングス」809億円
4位「共立メンテナンス」461億円
5位「東横イン」429億円
6位「東急」376億円
7位「三井不動産」327億円
8位「ホテルオークラ」315億円
9位「ニュー・オータニ」301億円
10位「オリエンタルランド」286億円
※各社有価証券報告書より。西武HDはホテル・レジャー事業、共立メンテナンスはホテル事業、東急はホテル・リゾート事業、三井不動産は施設営業事業、オリエンタルランドはホテル事業より抜粋
一方、GICは、シンガポール政府によって外貨準備のために設立されたソブリン・ウエルス・ファンド(政府が所有し、公的資金を運用する投資ファンド)で、「汐留シティセンター」を皮切りに、不動産を軸に投資を広げてきました。福岡市の複合商業施設「ホークスタウン」、ホテルの新御三家で知られている「ウェスティンホテル東京」、東京ディズニーリゾートに近い「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」などの取得で知られています。
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