平均給与「433万円」より厳しい…「日本人の現状」 (※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省『2019年 国民生活基礎調査』より、「平均給与」からは見えてこない、日本人のリアルなお金事情について見ていきます。

【関連記事】手取り40万円・50歳・課長「本当にお金がない」悲惨な末路

「中間層の拡大」…そもそも「日本の真ん中」って?

10月8日、岸田文雄首相の所信表明演説が行われました。3回目のワクチン接種をはじめ、新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるとともに、「デフレからの脱却」を推し進めていく旨を発表しました。

 

“富めるものと、富まざるものとの深刻な分断を生んだ、といった弊害が指摘をされています。”

 

“中間層の拡大、そして少子化対策です。中間層の拡大に向け、成長の恩恵を受けられていない方々に対して、国による分配機能を強化します。”

 

……「所得倍増」を掲げる岸田政権。本記事では、国民のお金事情について見ていきましょう。

 

■平均給与「433万円」だが所得の中央値を見ると…

 

国税庁『令和2年分 民間給与実態統計調査結果』が公表されました。1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は433万円で、2年連続の減少となりました。令和元年度は436万円でしたから、3万円分、数値を落としています(関連記事『平均手取り「27万円」の悲惨…岸田内閣誕生間近で露呈する、日本人のどん詰まりな生活』。

 

上記は「給与」の平均値。年金や財産所得などを含めた「日本人の所得」はいくらになっているのでしょうか。

 

厚生労働省『2019年国民生活基礎調査』では、日本人の平均所得を調べています。平成30年の1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が552万3000円。「高齢者世帯」が312万6000円、「高齢者世帯以外の世帯」が659万3000円、「児童のいる世帯」が745万9000円でした。

 

これはあくまで所得の平均値。所得分布を見ると、また違った様相が明らかになります。

 

所得金額階級別に世帯数の相対度数分布をみると、「200~300万円未満」が13.6%、「300~400万円未満」が12.8%、「100~200万円未満」が12.6%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています[図表]。中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は437万円。平均所得金額(552万3千円)以下の割合は61.1%と過半数を超えています。

 

出所:厚生労働省『2019年 国民生活基礎調査の概況』
[図表]所得金額階級別世帯数の相対度数分布 出所:厚生労働省『2019年 国民生活基礎調査の概況』

 

所得300万円の場合、ひと月当たりの収入は25万円といったところです。奨学金をはじめとした借金を抱えず、健康であり、家族への資金援助なども行っていない単身世帯なら、問題なく過ごせる金額かもしれません。しかし、現実の日々はそうなだらかにならないものです。

 

平均給与が話題になれば「433万円なんてもらってない!」との声がネットで多く上がります。その実感値は表立って報道されないものの、しっかりデータに現れているのです。

「大変ゆとりがある」と答えた人は増え続けている一方

■日々の生活「苦しい」が5割超えの多難

 

同調査では、日本国民の生活意識についてもアンケートを取っています。「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」の5択のうち、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えたのは全体の54.4%。過半数を超えています。年次の推移を見れば、過去5年間で「苦しい」と答えた人の割合は増えたり減ったりを繰り返していますが、特筆すべきは一点。「大変ゆとりがある」と答えた人の割合は順当に増え続けているのです。

 

なお総務省『家計調査』(2021年1~3月)より、年齢別2人以上の世帯の貯蓄額(預金・保険・有価証券等)について見てみると、30歳~39歳「797万円」、40歳~49歳「1,089万円」、50歳~59歳「1,728万円」、60歳~69歳「2,667万円」、70歳~「2,376万円」となっています。

 

老後資金2000万円問題が話題になって久しいですが、60歳以上の方の貯蓄額を見れば、「基準値ライン」を超えていることがわかります。順当に働き続けたら、苦しい生活を抜け出して穏やかな老後を過ごせるんだ……と考えたいところですが、平均給与や所得分布を思い起こせば、惨憺たる気分になってしまうのも無理はないかもしれません。

 

衆議院の解散・総選挙や金融所得課税の税率引き上げにも注目が集まる今、「働く日本人」の行く末は岐路に立たされています。

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載幻冬舎ゴールドオンライン事例・解説

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧