経済成長性から世界の投資家が注目する東南アジア。いまや、タイやインドネシア、マレーシア、フィリピンは、投資対象としてメジャー級ですが、そこに新たにカンボジアという選択肢が加わりつつあります。政情不安のイメージなどから「リスクが大きい」と噂されつつも、それでも注目度が高まっているのは、なぜなのでしょうか。その理由と、実際の投資戦略についてみていきます。

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カンボジア不動産=危険のイメージが広がった理由

 

カンボジア不動産というと、不動産投資を知っている人であれば、まず「リスクが大きい」ということが頭をよぎるでしょう。2010年代前半、高齢者を中心に狙ったカンボジア不動産投資詐欺が横行。「当社に代わってカンボジアの不動産を購入してくれたら高値で買い取る」と言葉巧みにお金をだまし取ったものでした。

 

この詐欺事件の被害者は200名以上に上るといわれています。大きく報道されたことで、いまだに「カンボジア不動産=危険」というイメージが強く残る一因でしょう。

 

しかしこの手の詐欺事件はカンボジアに限らず、後を絶ちません。そしてたいてい高齢者や不動産投資のあまりない人が狙われます。

 

またカンボジア不動産はリスクが大きいと考える人が多い理由は、その歴史にもあるでしょう。カンボジアは1991年10月にパリでカンボジア和平協定が結ばれるまでの22年ほど、内戦状態にありました。内戦により荒廃したカンボジアの地と悲惨な出来事を、いまなお鮮明に覚えている人も少なくないでしょう。

 

そしてこの内戦では、法律に関するあらゆる書類などが消失してしまったため、カンボジアでは一から法整備が行われることになりました。いまなお構築中という段階ですから、不動産投資でリスクを感じるのは当然のことでしょう。

 

また発展が著しい成長国での不動産投資ではよく見られる「プレビルド方式」が、カンボジア不動産投資でも主流であることに不安を覚える人もいるでしょう。

 

「プレビルド方式」はその名の通り、工事が着手される前に物件を購入すること。日本語でいえば「青田買い」に近いでしょう。プレビルドの場合、工事の進捗に合わせて支払いが発生するのが一般的ですが、価格が安く、また値上がりの期待も大きいことが最大の魅力です。

 

一方で、小規模のディベロッパー案件などでは、資金繰りの悪化などで工事が中断し、最終的に物件が建たず、支払った費用が返ってこないことも。そのため「プレビルドは危険だ」というイメージが広まったのです。

 

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