
コロナ禍で以前のような働き方ができなくなり、手に職をつけようと資格取得を目指している方も少なくありません。そんななか、14の鍼灸整骨院を展開し、年間19万人もの施術を行う株式会社NOMOKOTSU代表の野本一也氏は「数多く存在するように見える鍼灸・整骨業界への就職は、実は容易なことではない」といいます。本記事では、野本氏が「鍼灸・整骨業界のいま」を語ります。
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「時代の変化に対応できるかどうか」が重要
組織のなかで着実にキャリアを重ね、マネジメント力を磨くためには、そもそもその会社が長く存在し続ける必要があります。ただ、ビジネスのサイクルがどんどん早まっている現代においては、鍼灸・整骨業界にとどまらず、あらゆる業界で、一つのビジネスを長く続けることが難しくなっています。
ITが普及して以来、世の中が動くスピードが一気に上がったと感じます。SNSでは、一瞬でバズり、人気となった商品やサービスが1カ月もしないうちに飽きられ、消えていきます。インターネットという膨大な情報の海にあって、ずっと海面に浮かび続け、流行りを継続していくのが並大抵のことではないというのは、多くの人が感じていることだと思います。
鍼灸・整骨業界でも、流行り廃りが存在し、それらは常に入れ替わっています。とはいえ、人体の構造に根差した鍼灸や整骨という技術自体は、世の中の流れに合わせて大きく変化するわけではありません。
時代ごとに変わる患者のニーズをうまくすくい上げ、それに合わせて既存の技術をアレンジし、提供した治療院が注目され、周囲がそれを真似することで、鍼灸や整骨における「流行」となっています。
「技術」も「知識」も一定以上あって当たり前
例えば近年、鍼灸で大ヒットした「美容鍼」は、実は20年以上も前から存在しています。柔道整復師でいうと、骨盤矯正や肩甲骨はがしといったストレッチ系メニューが人気ですが、それもまた古くからある基本的な技術の切り口を変えたものに過ぎません。
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるわけでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」
チャールズ・ダーウィンの進化論における生物の生存競争についての記述ともいわれていますが、治療院間での競争が激化する鍼灸・整骨業界にもまったく同じことがいえます。
技術があるだけ、知識があるだけではいずれ滅びる運命です。生き残るためには、その時々の患者のニーズを汲み取り、時流に合わせて柔軟に施術メニューを変えていける治療院や施術家でなければいけません。施術家となり実績を上げて分院を任せられるようになったなら、技術も知識も一定以上あって当たり前です。
そこからさらにキャリアアップするには、自らが「変化できる者」となり、常に世間に対するアンテナを張り巡らせ、最新の技術や知識、機器を貪欲に取り入れ続けていくことが大切です。
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