パテックフィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマピゲ……高級腕時計界の「御三家」とされるこれらのブランド。なかでも人気のモデルとなると、中古にもかかわらず1,000万円を超える価格で取引されるそうです。コレクター垂涎の人気モデルに起きている昨今の「異常」ともいえる値動きについて、腕時計投資家の斉藤由貴生氏が詳しく解説します。

オーデマ ピゲ「ロイヤルオーク」

次に、オーデマ ピゲのロイヤルオークですが、これは1972年に登場したモデル。ノーチラスの登場が1976年ですから、まさに「ラグスポ」の元祖です。

 

しかしながら、中古相場の値動きという点では、ノーチラスが派手に動く一方、ロイヤルオークはほぼ動きがありませんでした。元祖という存在感があるのに不思議でしたが、2017年の段階でロイヤルオークの注目度はそれほど高くなかったのです。

 

そんなロイヤルオークに転機が訪れたのが2018年です。この年に、一部モデルがそれなりに値動きする様子が見られました。ただ、そういった動き方をするモデルは限定的で、15400STなど数えるほどでした。

 

また、その動き方は「数十万円単位の上昇」だったものの、ノーチラスと比べれば地味な変動額と言わざるを得ず、華やかな印象ではありませんでした。とはいえ、ロイヤルオークの変動は、2018年以降も停滞することがなく、徐々に値動きするモデルも増えていきます。

 

そして、2020年夏頃からは、それまでとは打って変わって、ノーチラスに負けないぐらい派手な変動に変化。さらに、「ほぼすべてのロイヤルオーク」が値動きする状態になっています。

 

その結果、ロイヤルオークは2020年以降は、ノーチラス以上に派手な変動をするモデルになりました。今や、数ヶ月単位での値動きは、ノーチラスよりも頻繁に起きています。

 

[図表2]ロイヤルオーク2017年~2021年の値動き
[図表2]ロイヤルオーク2017年~2021年の値動き

 

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※本連載は、斉藤由貴生氏の書籍『データでわかる腕時計投資の正解』(イカロス出版)から一部を抜粋し、再編集したものです。

データでわかる 腕時計投資の正解

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斉藤 由貴生

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