パテックフィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマピゲ……高級腕時計界の「御三家」とされるこれらのブランド。なかでも人気のモデルとなると、中古にもかかわらず1,000万円を超える価格で取引されるそうです。コレクター垂涎の人気モデルに起きている昨今の「異常」ともいえる値動きについて、腕時計投資家の斉藤由貴生氏が詳しく解説します。

ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ」

最後がヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズですが、このモデルだけは2021年になるまで、中古相場の値動きがあまり見られませんでした。

 

ノーチラスやロイヤルオークが1970年代に登場しているのに対し、オーヴァーシーズは1996年の登場と、やや新しいモデルです。

 

それでいて「こういうキャラクター」という説明も難しく、たとえば「大人気のノーチラス」「元祖のロイヤルオーク」といったキャッチフレーズに対して、「○○のオーヴァーシーズ」と形容しづらい存在でした。

 

三大時計といわれるブランドの一角を担うスポーツモデルでありながら、オーヴァーシーズは「目立った値動き」がない状態が長らく続いていたのです。

 

実際、2020年頃までの段階では、とくに初代がほぼ値動きしない傾向がありました。初代のクロノグラフは、2016年水準も、2019年上半期水準も、100万円前後でした。

 

それが、2021年になるとオーヴァーシーズは、全体的に上昇傾向に転じ、初代、2世代目、現行を問わず、全体的に「ガバッと上昇」しました。

 

その結果、例にあげた初代クロノグラフは、100万円前後の水準から200万円前後にまで上昇。これ以外にも、「数ヶ月で数十万円」の変動をするモデルが多々みられる状況です。

 

オーヴァーシーズは、まだノーチラスやロイヤルオークと同等といえる値動きになったわけではありませんが、これまでとは明らかに異なる動き方になったのは確かで、2021年という年は、まさにオーヴァーシーズにとっての節目だといえます。

 

[図表3]オーヴァーシーズ2017年~2021年の値動き
[図表3]オーヴァーシーズ2017年~2021年の値動き

 

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斉藤 由貴生

腕時計投資家

 

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※本連載は、斉藤由貴生氏の書籍『データでわかる腕時計投資の正解』(イカロス出版)から一部を抜粋し、再編集したものです。

データでわかる 腕時計投資の正解

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斉藤 由貴生

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