(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルス感染の第6波の拡大により、経済回復は急ブレーキがかかり、「コロナ関連倒産」というワードも耳にする機会が増えています。一方で、倒産件数は過去最少を記録という矛盾も。中小企業の倒産の実態をみていきましょう。

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    企業を潰さない日本は、個人には優しくない

    コロナ禍で経営環境は悪いはずなのに、倒産には至らない……この現象には、「とにかく企業は潰さない」というような国の姿勢がみてとれます。

     

    色々と後手に回っている印象があるコロナ対策ですが、中小企業への対応は迅速でした。実質無利子・無担保の支援策……それであれば借りておこうと考える経営者は多いでしょう。金融機関も国がリスクを負担してくれるなら、当然、積極的に対応します。

     

    支援策終了を期に倒産増は顕著になるという観測がありますが、それが顕著になれば、それに対応するように、支援策が継続する可能性も考えられます。今後、事業再構築支援へと舵をきるという声もありますが、そうなれば、雇用が保てなくなる可能性があり、やはり潰れない程度の支援は継続されるというのが大方の見方です。

     

    日本は企業を通して個人の生活を守ろうとしますが、直接的な個人への支援はそれほど充実しているとはいえません。

     

    厚生労働省『令和2年度被保護者調査』によると、生活保護を受けている被保護世帯は161万6884世帯、被保護人員は202万6730人。2015年以降、微減が続いていますが、それは支援の充実ではなく、申請ハードルが制度的にも精神的にも高いこと、生活保護に対するネガティブなイメージなどから、申請を控えるケースが多いことが要因といわれています。

     

    とにかく、中小企業に厚遇の日本。しかし、これこそが、低迷・日本の元凶だといわれています。日本の労働生産性の低さはよく知られたことですが、それは日本の企業の99%が中小企業というのが要因のひとつ。厚遇がゆえ、生産性向上の企業努力は後回しとなり、近年の日本の低成長につながっています。

     

    もちろん複合的な要因によるものなので、中小企業の支援を止めれば生産性があがるという短絡的なものではないでしょう。ただ現状が続けば、世界からさらに後れを取ることは明らか。企業を残すか、それとも潰すか……厳しい選択に迫られています。

     

     

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